痛みを伴う病気の症状について(その3)

2017/3/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

病気になると痛みが生じることが多いですが、ここで取り上げる病気はいずれも特に痛みが強いと言われているものです。ここでは痛みが強い病気として、坐骨神経痛、尿管結石、虫垂炎、三叉神経痛、膵炎を取り上げます(なお、特定の順位に基づいて紹介している訳ではありません)。

坐骨神経痛

坐骨神経(背中から脚にかけて伸びている)が損傷したり炎症を起こしたり、あるいは周りの筋肉によって圧迫されることで生じる痛みです。椎間板ヘルニアによって起こることもあります。

坐骨神経痛は腰から放射状に広がり、臀部や脚(片脚であることが多い)、ふくらはぎにまでおよびます。冷感や灼熱感、しびれなどを感じる方もいます。

市販の鎮痛剤や湿布、運動などを組み合わせると痛みを和らげることができ、ほとんどの場合、痛みは数日~数週間で自然に消えていきますが、治らない場合は腰部脊柱管狭窄、腰椎椎間板ヘルニアなどの病気により引き起こされている可能性もあるため、一度受診してみると良いでしょう。

三叉神経痛

三叉神経痛は顔の片方に極度にひどい痛みが発作的に生じることが特徴です。この痛みは予測不可能で、突然生じたり消えたりします。

この痛みは「額に電気ショックを受けたような痛み」や「焼けるような、あるいは突き刺すような激しい感覚」と表現する人がいます。三叉神経痛の人は顔に痛みの引き金となる部分がありその場所がとても敏感に反応するため、そこに風が当たるだけで痛みが出る、と説明することがあります。

三叉神経痛は通常の鎮痛剤よりも、カルバマゼピンという抗てんかん薬が神経を落ち着かせ、症状が著しく改善されることが多いです。

尿路結石

腎臓の結石が尿管に詰まったときに生じ、突然背中に激痛が走ることがあります。

この痛みは腰やわき腹、場合によっては生殖器の部分に生じ、痛みのない時間を挟みながら数分~数時間続きます。就寝中、特に朝方に発作が起こることもあります。尿路結石の痛みはとても激しいため、救急車を呼ぶ必要があると感じるかもしれません。

ほとんどの結石は小さく、結石が尿道を通過すれば自然と痛みが消えるものが多いですが、ある程度の大きさがあり尿管に嵌り込んでしまって自然に落石する可能性が低い場合は、体外衝撃波結石破砕術などの処置が必要となる場合があります。

急性虫垂炎

虫垂炎は盲腸に付いている「虫垂」と呼ばれる、指のような形をした袋が炎症を起こして腫れてしまい、痛みを伴う疾患です。

特に子どもによく起きる疾患です。虫垂炎にかかった子どもは、みぞおちのあたりの痛みを訴えます。この痛みはその後、腹部の右下の方へ移動しながら悪化します。

虫垂炎は救急疾患であり、放置すると腹膜炎にいたり致死的となる可能性があるため、緊急手術を行い摘出する必要があります。早期に手術した人は、術後数日以内に回復します。後遺症が出ることは、ほとんどありません。また、場合によっては抗菌薬による治療を選択することもあります。

急性膵炎

膵炎は膵臓で起こる炎症です。膵臓は消化器系のひとつで、胃のやや下側の背中側にある臓器です。膵炎のもっとも一般的な症状は、みぞおちのあたりから左上腹部、しばしば背中や腰にも広がるひどい腹痛です。

急激に炎症が広がる急性膵炎は入院治療が必要な場合もあります。

おわりに

いずれの症状も激しい痛みを伴うのはもちろん、その期間も比較的長期にわたるものが多いです。痛みが続くと気になりますが治療などで少しずつ改善していきますので、焦らずに治療していきましょう。ただ、いずれの病気も放置しておくと危険な場合がありますので、思い当たる症状がある時はなるべく早く医師の診察を受けるようにしてください。

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坐骨神経痛(13) 三叉神経痛(9) 尿管結石(15) 虫垂炎(2) 膵炎(5)