逆流性食道炎の予防で気をつけるポイントは?どんな治療をするの?

2018/10/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

逆流性食道炎を予防するには、日常生活でどんなことに気をつければいいのでしょうか?また、逆流食道炎と診断された場合、治療ではどのようなことを行うのでしょうか?逆流性食道炎の予防法や治療法について解説していきます。

逆流性食道炎になるとどんな症状が出てくるの?

逆流性食道炎とは、食べた食物が胃の中で胃液と混ざり合った後に、食道を逆流する病気のことで、強い酸性の胃液が逆流することにより食道の粘膜がただれ、胸焼けや呑酸、胃痛などの症状が起こります。

逆流性食道炎を適切な治療を受けずに放置していると、潰瘍に進行したり、食道がんになるリスクが高くなると考えられています。

主な原因としては、胃液の逆流を防ぐ働きのある下部食道括約筋の筋力低下があり、食道と胃の繋ぎ目に位置する下部食道括約筋が加齢などによってゆるむと、食道に胃の内容物が簡単に戻ってくるようになってしまいます。

以前は高齢者に発症する病気とされていましたが、最近では若い人の患者数も増加しています。主な発症要因として、以下のものがあります。

便秘

若い人で逆流性食道炎を発症する原因の一つとして、便秘により腹圧が高まることが考えられます。お腹が張っている状態だと、胃が腸からの圧迫を受けやすくなるため、食道への逆流が起こりやすくなります。
実際に、常習性便秘症患者の約10%に逆流性食道炎が見られるとされており、慢性的な便秘でお腹が張った状態が続くと、若い人でも発症する可能性が高くなることがわかっています。

脂肪分の多い食事

脂肪分の多い食品を多く食べると、コレシストキニンと呼ばれるホルモンが十二指腸から分泌されることにより、下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸が増加するなどの症状が起こります。脂肪は消化するときにかかる負担が他の栄養素よりも大きいため、脂肪分の多い食生活をしている人は逆流性食道炎になりやすくなるのです。

逆流性食道炎の原因となる便秘や脂肪分の多い食事などは、大腸がんの発症要因でもあります。その面から考えても、自分の食習慣を見直し、予防対策をとることをおすすめします。

逆流性食道炎を予防するためにできることは?

逆流性食道炎を予防するには、下部食道括約筋や胃酸に影響する食事を控える必要があります。

  • 脂肪分やタンパク質を多く含む食品
  • コーヒーや緑茶などのカフェインを含むもの
  • アルコール

などは下部食道括約筋や胃酸に影響しますので、控えるようにしましょう。その他、下部食道括約筋への影響を減らすために、日頃使用している食用油をオリーブオイルに替えてみることをおすすめします。

また、胃に負担がかかる食習慣も逆流性食道炎の原因です。いわゆる「胸焼けが起こらないような食生活」を送ればよいのですが、胸焼けを引き起こす食べ物や食習慣は人によって異なります。自分の胸焼けが起こりやすい食べ物をきちんと把握しておきましょう。
基本的には、

  • 酸味の強い食品
  • 唐辛子や故障などの香辛料
  • チョコレートなどの甘いもの
  • 酸味の強い柑橘類
  • 炭酸飲料

を避けることから始めてみましょう。

胃に圧力をかけないことも重要

食生活の改善以外にも、お腹(胃)への圧迫を減らすことも重要な予防対策になります。

  • 前屈みの姿勢を避ける
  • 猫背にならないように背筋をぴんと伸ばす
  • ベルトやコルセットなどでお腹を締め過ぎないようにする
  • 重いものを無理に持たないようにする
  • 肥満にならないように注意する

また、胃酸が逆流しないように

  • 食べてからすぐに横になったり就寝しないようにする
  • 上半身を少し高めにして眠る

などの工夫も忘れないようにしましょう。

胸焼けやお腹の張りなど、気になる症状が出てきたら

予防対策をしても症状が改善しない場合は、薬での治療が必要な場合がありますので病院を受診した方がいいでしょう。

逆流性食道炎の薬物治療では、症状を緩和するための対症療法を基本的に行います。ただし、薬を使用して症状改善をはかるとともに、上記で紹介したような「日常生活の注意点」をきちんと守ることが大切です。

薬物治療では、胃酸分泌抑制剤の内服と必要に応じて消化管運動機能改善剤、制酸剤、粘膜保護剤などが使用されます。薬物療法を行っても症状が改善されない場合は、外科手術を行うことがあります。

おわりに:胃に負担のかかる食生活や生活習慣を改善しましょう

逆流性食道炎を予防するためには、下部食道括約筋や胃酸に影響する食事や胃に圧力がかかる生活習慣を改善する必要があります。
生活習慣の改善で治らない場合は、薬物治療も併行して行う必要がある場合があります。胸焼けやお腹の張りなどの気になる症状が出てきたら医療機関を受診しましょう。

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