記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/4/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
月経によって血液とともに多量の鉄分を放出してしまう女性は、よく貧血を起こします。これは妊娠中でも同じで、妊娠期に鉄分が不足していると力が足りないように感じることがあります。月経によって鉄分が豊富な血液を失うことがなくなったとはいえ、月経で失う以上の量の赤血球を作らなければなりません。そのためには妊娠中も、鉄分をたくさん蓄えなければなりません。ここでは、妊娠中の鉄分と貧血を防ぐための方法を解説します。
なぜ、妊娠中に鉄分貯蓄量を増やす必要があるのでしょうか。それは、妊娠20週を迎えると貯蔵されている鉄分(月経がとまってから蓄え続けてきた分)がちょうどなくなってくるからです。
妊娠中は、赤ちゃんのために多量の赤血球をつくらなければなりません。
それが原因で妊娠中の女性は、貧血や鉄分欠乏症のリスクが高くなります。
妊娠中は、鉄分が豊富な食べ物をとることとともに予備の供給源を用意しておかなければなりません。母体と胎児の両方に必要な鉄分量を確保するためには30~50mgの鉄サプリメントを摂取することが必要です。医師が鉄分貯蓄量が著しく低いと判断した場合は、サプリメントの摂取量をもっと増やす必要があるでしょう。
妊娠中の鉄サプリメントは、妊婦用ビタミン剤とともに摂取すべきものなのだということを忘れてはなりません。摂取にあたっては、胃や腸に負担を強いることがないように医師に必ず相談しましょう。おなかが休まらなければ反応速度の遅い鉄サプリメントもあります。
ほうれんそうが嫌いな人は、サラダに入れてみたり、魚や肉類に添えてみたり、パスタとチーズとともにソテーにしたりといろいろ工夫してみましょう。
鉄分が豊富な食べ物は、ほかにもたくさんあります。脂肪の少ない牛肉、豆、その他大豆製品、オートブラン、大麦、ドライフルーツ、チョウセンアザミ、海草などがあります。
イワシ、ハマグリ、カキ、二枚貝、エビなどの魚貝類もまた鉄分が豊富ですが、魚貝類には水銀が微量に含まれているため、妊婦では注意が必要です。1週間のうち、魚貝類は多くても300g程度に抑えましょう。また、魚貝類は生ではなく必ず加熱調理するようにしましょう。
カフェインは瞬間的に活力を与えてくれるかもしれませんが、鉄分の効果を激減させるので、妊娠中のカフェイン接取は控えるべきです。
ビタミンCは鉄分にとって大切なバディです。ビタミンCは鉄分の吸収を促進することはよく知られています。
妊娠がすすむにつれて、日々変わる自分のからだ…赤ちゃんは無事生まれてくれるだろうか? 心配はつきませんよね。元気な赤ちゃんは、まず母体が健康でなければなりません。鉄分は妊娠中に健康になる力をくれます。