お腹にガスがたまる原因は?小腸にたまると病気の可能性があるの?

2018/10/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

お腹がはって苦しい、激しい痛みが続く。そんな辛い症状の原因は腸内ガス、いわゆるお腹の中にたまったおならかもしれません。ちょっと恥ずかしくて人に相談しづらいと思うこともあるでしょうが、腸内ガスを放っておくと危険な状態を招くこともあるのです。

お腹にガスがたまる原因は?

腸内ガス(おなら)には、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、硫化水素、メタンなどの成分が含まれています。普段の食生活がこれらの成分の割合を決めますが、食事のときに飲み込んだ空気が腸内ガスの約70~90%を占め、通常はげっぷやおならとして飲み込んだ空気は排出されます。一日で0.5~2.0Lの量のガスが排出されています。

ところが胃や腸の働きが低下すると、腸内ガスがうまく排出されずに体内にたまってしまうことがあります。するとお腹がはる、腹痛、吐き気などの症状があらわれます。まれに激しい腹痛が起き、顔面蒼白や意識が遠のくこともあります。

ガスがたまるきっかけになるものってどんなこと?

腸内ガスを発生させるものとして、主に3つのきっかけが挙げられます。

口から飲み込んだ空気
食事では食べ物だけでなく空気も飲み込んでいます。早食いの人はこの傾向が強いでしょう。また日本の食文化には「すすって食べる」場合がみられます。蕎麦や熱いお茶を口にするときは空気も多く飲み込んでしまいがちです。
炭酸飲料
ビールや清涼飲料水など炭酸を含む飲み物が腸内ガスを発生させることがあります。
食べ物の分解
体内では腸内細菌が食べ物を分解し栄養分を吸収していますが、分解するときに腸内ガスが発生します。特に腸内ガスを発生させる食べ物の例を紹介します。

炭水化物
いも類などの炭水化物は、二酸化炭素、水素、メタンを多く含む腸内ガスを発生させます。臭いはあまり強くありません。
たんぱく質
肉や卵、乳製品などたんぱく質を豊富に含む食品は、アンモニアや硫化水素、インドール、スカトール、アミンなど強い臭いの成分を生み出します。またニンニクやにらなどの硫黄分を多く含む食品も臭いを強めます。
脂肪
脂肪分が分解されると「脂肪酸」となりますが、腸内ガスを増やすといわれています。
そのほか
牛乳を飲んだときにお腹がゴロゴロする「乳糖不耐症」の人は、小腸でうまく分解されなかった乳糖が腸内ガスのもととなる場合があります。
肝硬変など腸の粘膜の血行がよくない人は、腸内ガスが増えやすい傾向にあります。

小腸にガスがたまってしまう病気があるの?

腸内ガスは、病気によってお腹にたまることがあります。「小腸閉塞(イレウス)」を発症すると食べ物や消化液の通り道である腸管の流れが悪くなり、腸内ガスが体内にたまってしまうのです。お腹のはり、激しい腹痛、嘔吐、排便・排ガスがとまるなどの症状がみられます。

イレウスは腹部の手術後に臓器に癒着が生じたり、便秘や腫瘍による腸への圧迫など、さまざまな要因によって引き起こされます。特に腸がねじれたり絞めつけられたために発症する「複雑性イレウス(絞扼性イレウス)」は腸の血行障害による組織の壊死を招き、命に関わる重篤な病気です。複雑性イレウスと診断されたら、緊急手術となります。

イレウスの診断はレントゲン(X線)検査が一般的です。そのほかCT検査も行われています。治療方法は絶食と点滴が基本です。様子を見ながらたまっている内容物をチューブで排出させる減圧療法を行い、改善を目指します。

お腹にガスがたまらないようにするにはどうすればいい?

腸内ガスがたまらないようにするために、日常生活でできることがあります。それは「余分なガスを体内に入れない」「ガスの発生をおさえる」「体内のガスはためない」です。

余分なガスを体内に入れない
食事はよく噛んでゆっくり食べ、空気を余分に飲み込まないようにします。また、げっぷは胃の中の空気を排出するためのものなので、食後にげっぷが出そうになったら我慢はしないでください。人前を避けるなどマナーを守りつつ、腸内ガスを体内に入れないようにしましょう。
ガスの発生をおさえる
便秘で体内に便がたまるとガスのもとになります。食物繊維や善玉菌を豊富に含む食品をとり、スムーズな排便を促します。
体内のガスはためない
おならやげっぷを我慢すると、腸内ガスの排出を妨げます。またストレスや運動不足は腸の働きを低下させますので、適度に取り入れてください。

おわりに:ガスを体内にためないことが予防のポイント。食生活には気をつけましょう

腸内ガスは誰にでも発生しているものです。ところが食生活や腹部の手術歴によってガスの量や成分は変わってきます。体に悪影響を与えるガスの発生を抑え、排出を促すようにしましょう。つらいお腹のはりや腹痛があらわれたら早めに病院を受診しましょう。

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