体の老廃物を出すために、腎臓はどんな構造になっているの?

2018/10/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

体の老廃物を排出する役割をもつ臓器「腎臓」。この腎臓は、どんな構造をしているのでしょうか?腎臓の担うさまざまな役割について、わかりやすく解説します。

腎臓ってどんな構造になっているの?

腎臓は腰の上あたりに背骨を挟んで左右1つずつあります。形はソラマメに似ており、手の握りこぶしくらいの大きさで1つ100~150gほどの重さです。

腎臓は「ネフロン」と呼ばれる特殊な構造が1つの腎臓に約100万個集まってできています。ネフロンはろ過装置である「糸球体」と「尿細管」という管で構成されています。尿細管はさらに集合管、そして腎盂へつながっています。

腎臓は体の中で最も血液の流れの多い臓器といわれ、1分間に腎臓に流れ込む血液は心臓から拍出される血液の約1/5を占めています。腎臓の大きさは体重の約1/200であることを考えれば、いかに多くの血液が流れているかがわかるでしょう。

腎臓で作られた尿は尿管を通り膀胱に貯まり、150~200mLになると尿意をもよおします。そして、尿は尿道を通り勢いよく便器に放出されるのです。また、腎臓は立ち上がると2~3cm下がるのが普通ですが、やせた人などは下がりやすく骨盤の中まで下がってしまう人もいます。この状態は腎下垂といい、病気ではないものの腰痛の原因になることがあります。

ネフロンってどんな働きをしているの?

腎臓は上述したように、ネフロンという構造からできています。ネフロンは、腎皮質にある糸球体から始まっています。糸球体にはボウマンのうの中に収納されています。

糸球体では、ボウマンのうから水分がにじみ出す糸球体ろ過を行います。その水分は尿細管を通って糸球体のある皮質から髄質の深いところまで流れ出て、再び糸球体に戻ります。この構造はループ構造といい腎臓の働きに欠かせません。糸球体からにじみ出る水分量は1分間に約120mL、1日では170Lにも及びます。

一方で、1日の尿量は普通1~2Lであり、糸球体でこされた水分の多くは尿細管を流れている間に再び血管に戻っているのです。糸球体ろ過では、血球やたんぱく質などの大きな分子以外がこされてしまいます。このなかには、体に必要なアミノ酸やブドウ糖なども含まれるため、物質を失わないよう再吸収する仕組みが備わっています。

しかし、糖尿病のように血液のブドウ糖濃度が非常に高くなると再吸収できる量を上回って尿に糖が混じる糖尿病になります。ただし、糖尿病は血糖値に異常がある場合を指すため、尿に糖が出たからと言って糖尿病とは限りません。腎性糖尿と呼ばれる尿細管のブドウ糖再吸収能力に異常がみられる症状は病気ではない点に注意しましょう。

腎臓は血液のろ過以外にもやっていることがあるの?

腎臓は老廃物や余分な水分などをろ過・排泄するだけでなく、体液量やイオンバランスを調整したり、血圧を適切にコントロールする働きがあります。また、造血ホルモンであるエリスロポエチンを分泌して骨髄で赤血球が作られるのを助けたり、ビタミンDを活性化してカルシウムの吸収を促して骨を丈夫にするなど、さまざまな働きを行っています。

おわりに:腎臓はろ過と再吸収を繰り返しながら必要な栄養を吸収している

腎臓では、糸球体から染み出た水分が糸球体と尿細管をぐるぐると回りながらろ過と再吸収を繰り返しています。そして、体に必要な栄養分を吸収し、老廃物を尿として排出しています。また、腎臓には血圧をコントロールするなど、体を健康に保つ働きもあります。腎臓の構造や働きを知り、いつまでも健康な生活を保ちましょう。

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