腎臓って体のどの位置にあるの?中はどんな構造をしている?

2018/10/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎臓とは、私たち脊椎動物が持っている排泄・解毒にかかわる器官の1つです。
ただ、胃や腸と違って頻繁に動きや痛みを感じるような臓器ではないので、その位置や形状について理解している人は少ないでしょう。
今回は腎臓の位置や構造・形状、働きなど、腎臓の基本的な情報を解説していきます。

腎臓って体のどのあたりにあるの?

腎臓は胴体の背中側、あばら骨の少し下あたりに、背骨を挟むように一対で存在しています。
体格による個人差も多少ありますが、一般的には脇腹と背骨の中間あたりで、かつ腰から背中にかけて少しくびれている位置の体内に、腎臓はあります。

なお、腎臓という臓器自体はそらまめのようなかたちをしていて、それぞれにぎりこぶし1個分程度の大きさをしています。

腎臓の中ってどんな構造をしているの?

腎臓は、1つ(片方)につき約100万個の「ネフロン」から構成される臓器です。

ネフロンとは、1つ1つが腎臓としての機能を持つ組織で、それぞれ糸球体(しきゅうたい)・腎細動脈(じんさいどうみゃく)・尿細管(にょうさいかん)からできています。

ネフロンを構成する3つの組織と役割

糸球体
血液を濾して原尿を作り、一定量ためてから送り出すろ過装置のようなもの
腎細動脈
各ネフロンに動脈からつながる細い血管で、糸球体につながっている
尿細管
糸球体でろ過されてできた原尿が通過する管で、腎盂につながっている

腎臓につながる動脈から腎細動脈に入ってきた血液は、勢いを持って糸球体へと流れ込んでろ過され、原尿となって尿細管へ流れていきます。このように、腎臓は個々のネフロンが血液をろ過する働きを全うすることで、全身分の血液をろ過して排出すべき尿を作りだせる、という構造になっているのです。

なお、原尿は両腎臓のネフロンでは1日120L程度の原尿が生成されますが、そのうち99%は尿細管を通る過程で再吸収され、再び血流へ戻っていくといわれています。

実際に尿として腎盂(じんう)に蓄積され、排出されるのは1日1.2~1.5L程度です。
ちなみに、1日あたりの排尿量が0.5L以下と極端に少なかったり、3L以上と極端に多い場合は異常ですので、腎臓に何らかの異常がある可能性が考えられます。

腎臓ってどんな働きをしている?

腎臓は、先述した「血液をろ過して尿をつくる」以外にも、身体にとって重要な以下の役割を担っています。

  • 血液のろ過により、体内の水分量やナトリウムなどの電解質量を適性に保つ
  • 体内の水分量を一定に保つことで、適切な血圧になるよう調整する
  • 血圧上昇を助ける、レニンというホルモンを適正量分泌する
  • 体内に吸収されたビタミンDを、身体に作用するビタミンD3に変換する
  • 赤血球の生成を促進するエリスロポエチンというホルモンを分泌する

このため、腎臓に疾患や不調が起こると尿に潜血や排尿障害などの異常が出るだけでなく、高血圧や貧血・めまいなど全身的な症状が出ることになるのです。

おわりに:腎臓は腰と背中の間に一対で存在する、ネフロン組織の集合体

腎臓は背中と腰の間、少しくびれているところに背骨を挟むように2個一対で体内に存在する臓器です。2つそれぞれがネフロンという血液をろ過する組織の集合体で、血液をろ過して尿を作るほか、体内の水分量・電解質量・血圧を調整し、全身の健康を維持する役割を担っています。普段は働きや痛みを感じることの少ない臓器ですが、人間の健康に大きな影響を及ぼす臓器ですので、ふだんからよく労わるようにしましょう。

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