小腸の働きが悪くなると考えられるリスクは?おすすめの改善方法は?

2018/10/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

私たちが食べたものを、身体を維持するための栄養として分解・吸収してくれる小腸。もし小腸の働きが悪くなると、どのようなリスクが起こり得るのでしょうか。
今回は具体的な小腸の働きと、働きが低下することによって起こり得る悪影響とその対処法について、まとめてご紹介していきます。

小腸の働きとは?

小腸は長さにして約6メートル、内壁のヒダを伸ばして広げた面積はテニスコート約1面分にもなるといわれる、大きな消化器官です。

胃・胆のう・膵臓とつながる直径5cmほどの「十二指腸」、そして最も狭いところでは3cmほどの直径になって大腸につながる」「空腸」、「回腸」という3つの部位から成り立っていて、胃でおかゆ状にまで消化された食べ物を小腸液と呼ばれる消化液でさらに栄養素と排泄物にまで分解して、大腸に送っています。

筋肉でできている小腸は、規則的に拡張と伸縮を繰り返し、食べ物と消化液を混ぜ合わせて消化を進めるとともに大腸の方へ少しずつ運び、同時に栄養も吸収していきます。
人間が消化器官で食べ物を消化して得られる栄養と水分のうち、約90%が小腸で吸収されるといわれるほど、小腸は消化において重要な役割を担っているのです。

小腸の働きが悪くなると、体にどんな影響が出る?

小腸の働きは、加齢による消化機能の衰えや、病気や損傷による他の消化器官、小腸の大部分の切除によって、著しく低下する可能性があります。
小腸の働きが悪くなると全身的な栄養不良状態に陥り、以下のような症状が出ると予測されます。

  • 免疫力と筋力が低下し、病気にかかりやすくなったり、ケガからの回復が遅くなる
  • 適切に食べ物を消化できないため、下痢や胃もたれなど消化器に深刻な不調が出る
  • アミノ酸を吸収できなくなることにより、タンパク質の栄養障害を発症する
  • 脂肪が吸収できなくなることにより、脂肪欠乏症や脂溶性ビタミン欠乏症状を発症する

いずれも、消化機能と全身の健康状態に深刻な影響を与えるものですので、小腸の働きが悪くなると、命の危機に陥る可能性も出てくるといえます。

小腸の働きを促すために何ができる?

小腸の働きを良い状態に保ち、低下した小腸の働きを改善させるためには、食事の習慣を消化を助けるものに変えていくのが効果的です。
以下に、小腸への負担を少なくし、働きを助ける食習慣のポイントを3つご紹介しますので、できるところから1つずつ実践していきましょう。

食事は規則正しく、ゆっくりとよく噛んで食べること
胃と小腸で食べ物を消化する負担を減らすには、口に入れた段階でしっかり咀嚼して食べ物を小さくし、唾液の分泌を促しておくのが効果的です。
食事は1日3回、規則正しく同じ時間に摂り、毎回よく噛むよう意識してください。
消化の良い食事を選び、量は腹八分目を意識して
脂肪の多い食事や食べすぎは、消化に時間がかかり小腸への負担も大きくします。
食事を選ぶときは、揚げ物は避けて煮込み料理や蒸し料理を積極的に選ぶようにし、食べる量も腹八分目を意識して、小腸に負担をかけない工夫をしましょう。
消化がスムーズに進むよう、食後30分は休息を
食後は、小腸などの消化器官に十分な血液が供給されるよう、30分程度は激しい運動を避けて座って休憩するようにしてください。こうすることで、身体を動かすために血液が筋肉に送られるのを避け、食事の消化に伴う小腸への負担を軽減することができます。

おわりに:小腸の働きが悪くなると、消化器の不調と栄養不良に見舞われるかも!

人間が食べ物から吸収できる栄養・水分のうち、約90%の吸収を担っている小腸の働きが低下すると、深刻な栄養不良や消化器・全身の不調に陥る可能性があります。

小腸の働きが低下していると感じたら、重症化する前に早めに対処する必要があります。具体的には、小腸での消化に負担をかけないよう、食事の方法や内容を工夫するのが効果的です。この記事を参考にしつつ、医師にも相談しながら実践してください。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

小腸の働き(1)