記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/22 記事改定日: 2020/6/23
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腎臓病や腎臓の機能が低下してとき、カリウムの摂取を控えるよう指示されることがあります。腎臓が悪くなったときになぜカリウム制限がかかるか、カリウムによってどんな症状が出るかなどを解説します。併せてカリウムを多く含む食品を紹介しますので、食事の参考にしてください。
カリウムは主に人体の細胞に存在し、成人なら200g程度は常に保有している成分です。
体内では、主に以下の役割を担っています。
体外から摂取されたカリウムは、小腸で吸収されて各器官で必要な分だけ使用し、余分は腎臓に運ばれて処理されます。腎臓では、血中のカリウム濃度がおよそ3.6~5.2mEq/Lに維持できるよう調整が行われています。
なお激しい下痢や嘔吐、薬の副作用などでカリウムが過剰に体外に排出されて不足すると、脱力感や筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺などの症状が現れます。
腎臓が悪い人がカリウム摂取を控えるよう指示される理由は、腎臓の機能が低下すると適切にカリウムが排出できなくなり、体内に蓄積されるようになるためです。
血中のカリウム濃度が高くなり、カリウム濃度が5.5mEq/Lを超えてくると「高カリウム血症」を発症し、以下のような症状が現れてきます。
特に不整脈には注意が必要です。血中のカリウム濃度が7~8mEq/Lを超える重度の高カリウム状態となると、突然心臓が止まって死亡するケースもあります。
腎臓が悪い人がカリウム制限を求められるのは、腎臓のかわりに血中のカリウム濃度をコントロールし、高カリウム血症を防ぐためなのです。
腎臓の機能に異常が生じると、上述したようにカリウムの排泄が低下するため血中のカリウム濃度は症状し、命に関わるような症状が引き起こされるケースも多々あります。
そのため、腎臓が悪く血中カリウム濃度が高い場合には次のような薬が使用されます。
カリウムを吸着するタイプの薬には、ケイキサレート®、アーガメイトゼリー®などがあります。
これらの薬剤には、陽イオン交換樹脂が含まれ、カルシウムやナトリウムなどのイオンとカリウムイオンを交換し、便と共にカリウムの排泄を促す効果があります。
カリウム値が非常に高値であり、不整脈などが現れる危険が高い場合はカリウムの細胞内移行を促すグルコール・インスリン療法や、血液を酸性化する炭酸水素ナトリウム製剤などが用いられることがあります。
ここからは、腎臓に異常が見つかり医師からカリウム制限を指示されたなら知っておきたい、高カリウム食品をまとめてご紹介します。
腎臓の機能低下を指摘されているなら、上記の食品は避けるようにしてください。
また、高カリウムの食品を避ける以外に日々の食事からのカリウム摂取量を減らすためにできる工夫としては、以下があります。
人間の正常な生命活動に関わるカリウムは、腎機能低下の影響を受けます。腎機能低下に伴い、血中のカリウム濃度が異常に高い状態が続くと全身にさまざまな不調をきたして最悪の場合は死に至ります。医師から腎機能の低下とカリウム制限を指示されたら、食事でのカリウム摂取量調節などをすぐに実践してください。
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