腎臓の不調からくる症状は、腰や背中の痛み以外にもある？

腎臓はどんな働きをする臓器？どんなかたちをしている？

「腎臓」は、腰の辺りに左右対称に2つある、ソラマメのようなかたちの握りこぶしほどの大きさの臓器です。

腎臓には、大きく5つの働きがあります。

老廃物の排出

腎臓は、血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体外に排出するとともに、体に必要なものは再吸収して体内に留める

血圧の調節

塩分と水分の排出量をコントロールし、血圧を維持するホルモンを分泌します

血液をつくる指令を出す

赤血球は腎臓から出るホルモンの刺激を受けてつくられている

体液量やイオンバランスを調節する

体液量やイオンバランスを調節するとともに、体に必要なミネラルを体内に取り込む役割も担っている

骨を強くする

カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくり、骨の発育に寄与している

このように腎臓は、血液や水分、ホルモンなどを通じて、体内環境を全体にわたって調整する役割をしています。

腎臓の調子が悪いときの症状は？尿の色や状態がサイン？

腎臓病はかなり悪化しないとはっきりした自覚症状があらわれず、気づいたときには重症化していることが少なくありません。しかし、自分でもチェックできる小さなサインはいくつかあります。尿の色、トイレの頻度、むくみは代表的なサインです。

尿の色の異常

尿の色は通常は黄色っぽい澄んだ色をしていますが、腎臓のろ過機能が低下し「タンパク尿」になると、濁った感じになって泡立ちが目立つようになります。
腎障害が起きると「血尿」になり、褐色のような濃い色味の尿がでます。

トイレが近くなる

1日の排尿回数は人や季節によって違いますが、3～10回なら正常、10回を超える場合は腎臓病、糖尿病、過活動膀胱などによる頻尿を疑う必要があります。

体のむくみ

まぶたがはれぼったい、靴下のゴム跡がなかなか消えないなどはむくみが起きている可能性があります。特に血糖値の高い人にみられやすい症状です。

腎臓の不調で背中や腰痛や背中の痛みが発生するの？

背中や腰に痛みを引き起こす病気で一番多いのが、腎臓・泌尿器系からくる病気です。腎臓が正常に働かなくなると毒素が体内に溜まり、腰痛のほかに排尿の違和感や頻尿、血尿、食欲不振、発熱なども起こります。また、尿路結石では激痛が、腎盂炎や腎炎では高熱と腹痛、背中の痛みが起こります。

ただし、腰痛や背中の痛みを引き起こす病気はほかにもあります。

腰痛を引き起こすもの

消化器系などからくる病気や胆のう　など

背中の痛みを引き起こすもの

すい臓がん、心筋梗塞、大動脈解離　など

なんとなく背中や腰が痛いといった場合には、自己判断せずに総合診療科に相談するようにしましょう。

腎臓の病気にならないようにするためにできる対策は？

腎臓の病気を予防するには、腎臓に過度な負担がかからないような生活を送ることが大切です。

腎臓は非常に細い血管の塊がいくつもあり、動脈硬化や高血圧などを発症すると負担がかかりやすくなります。これらの生活習慣病を予防するために、日頃から栄養バランスの良い適正カロリーの食事や適度な運動を心がけ、現在喫煙している方は禁煙を目指しましょう。また、定期的に健康診断を受け、自身の身体の状態を把握することも大切です。

そして、腎臓は尿路結石による腎盂腎炎によってダメージを受けることがありますので、尿路結石を防ぐためにも、上記とあわせて十分な水分補給を心がけましょう。

おわりに：腰痛や背中の痛み、尿の色の変化や体のむくみは腎臓病のサインかも

腎臓病は重症化するまで自覚症状があらわれませんが、小さなサインとして、尿の色の変化、体のむくみ、頻尿などが現れるようになります。腰や背中が痛むこともありますが、その場合は他の病気である可能性もあるので、総合診療科に受診するようにしましょう。

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腎臓が機能低下するとどんな症状が出てくる？機能低下の原因は？