腎臓の石灰化と腎結石の違いは?石灰化は取り除いたほうがいいの?

2018/10/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎臓の石灰化と腎結石は、似たようなイメージがありますがどのように違うのでしょうか。また、石灰化した場合は取り除いたほうがいいのでしょうか。以降で解説していきます。

腎石灰化と腎結石の違いは?

腎結石とはシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸、稀に、シスチン、リン酸マグネシウム、アンモニウムなどが結晶化して腎臓内に沈着したもののことをいいます。なかでも多いのはシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムで、腎結石の約80%を占めています。また、リン酸マグネシウム、アンモニウムにおいては、腎盂腎炎といって尿に細菌が入って感染を起こした際によくみられます。

これらのさまざまな物質が尿中に溶けきれずに析出して核ができ、次第に結石として形を形成していきます。この現象は腎臓の乳頭部で起こりますが、石が乳頭部を離れて、腎杯や腎盂で詰まってしまうことで腎結石としての症状が出現します。

一方、腎石灰化とは、腎臓の感染、炎症、梗塞に伴い腎臓実質にカルシウムが沈着したもの、もしくは腎臓の血管壁にカルシウムが沈着したもののことをいいます。

腎結石と腎石灰化は腹部超音波検査において区別をすることがとても難しいこともあり、検査をする検査技師と、画像を読み込んで診断をする医師によってしばし意見が分かれてしまうこともあります。

石灰化が見つかったら取り除いたほうがいい?

腎臓の石灰化は見つかったとしても症状がほとんど出現しません。そのため、放置したからといって重大な病気に発展する可能性は非常に少ないことが一般的です。しかし、ごくまれに尿路結石となってしまうこともあります。

また、前述したように石灰化と尿路結石の判別は非常に難しく石灰化だと思っていたら尿路結石であったという可能性もゼロではありません。そのため、気になる方は年に1回のペースで検査を受けて経過を見ておくことが賢明でしょう。

腎臓に石灰化したものが溜まるのはなぜ?

そもそも腎臓の石灰化は、摂取カルシウムが不足することによって自分の身体の骨を溶かしてカルシウムを補おうとしたために起きるものです。すると血液中のカルシウム量が増えるようになります。血液中のカルシウムは血液100ml中10mgと一定に保つことが必要です。そのため、余分なカルシウムは骨や血管、細胞に沈着します。この原理によって腎臓に沈着したカルシウムが腎臓の石灰化の原因となります。

石灰化を予防することはできる?

石灰化は日常生活の中で予防していくことが可能です。最も気をつけたいことは身体の酸性化です。身体が酸性化するとpHを調節するために骨からカルシウムが溶け出してしまうため石灰化の原因にもなります。

酸性の体質を改善するためには、夜遅くに食事を摂らないようにしたり、酢や野菜、海藻などアルカリ性食品を積極的に摂るようにすると良いでしょう。また、適度に身体を動かしたり、便秘にならないように排便のコントロールをしたりといった工夫をすることで酸性化を防ぐことができます。

また、長時間座ったり同じ姿勢を続けたりすると、腰や首などに負荷がかかり、そこにカルシウムが沈着しやすくなります。腎臓は腰の付近にあるため、同じ姿勢を続けて腰にカルシウムが沈着しないよう、姿勢をこまめに変えたり体操をするなどして身体を柔らかく保っておけるように注意していきましょう。

さらに、カルシウム不足を補っておくことも重要です。健康食品で補うときは、ただ量をとるのでなく、なるべく骨に届きやすい良質なものを摂るようにしましょう。活性化カルシウムや吸収が良いと謳っているカルシウムが、確実に骨まで届くとは限りません。安心の成分で、良質、骨に届きやすいカルシウムを選択するようにしましょう。これらに該当するカルシウムが含まれる食品は、小魚、海藻、野菜、豆類、ボレイ(漢方薬)です。

おわりに:腎臓の石灰化は治療不要だが、定期検査を

腎臓の石灰化とは腎臓の感染、炎症、梗塞に伴い腎臓実質にカルシウムが沈着したもの、もしくは腎臓の血管壁にカルシウムが沈着したもののことをいい、症状はほとんどありません。しかし、腹部超音波検査などで腎結石と区別することが非常に難しいことが特徴です。

放置していても問題はないものの稀に腎結石となることもあるため、気になる人は定期的に検査を受けるようにしましょう。

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