「薬膳」とは、中国の伝統医学である「中国医薬学(中医学)」の理論をもとに作る料理で、病気の予防や健康増進を目的としたものです。今回はこの薬膳の世界の中で、「冷え性」に効果的とされる食べ物やおすすめの薬膳レシピを紹介していきます。
「薬膳料理は作るのが面倒」と思っていませんか?
みなさんは「薬膳料理」といわれて何をイメージしますか。きっと多くの方は、「体によさそうだけど、つくるのは大変そう」「手の込んだ料理店でしか食べられないもの」と思っているのではないでしょうか。しかし実際の薬膳とはそうではなく、クコの実などの手に入りにくい食材を使わなくとも、スーパーなどで買えるものだけでも成り立つ料理なのです。
薬膳の世界でいう「冷え性対策」とは
薬膳の世界では、あらゆる食材は下記の5種類いずれかの性質(五性)をもつと考えられています。
- 温性:体を温める作用をもつ
- 熱性:体を極端に温める作用をもつ
- 涼性:体を冷やす作用をもつ
- 寒性:体を極端に冷やす作用をもつ
- 平性:体を温めも冷やしもしない
このうち冷え性の人は、体を温める「熱性・温性」の食材を摂取するのがよいとされます。
冷え性の人は具体的にどんな食べ物を食べたらいいの?
冷え性の人は「熱性」や「温性」、また「温中散寒(お腹(中)を温め、寒さを取り除くという意味)」、そして貧血も冷えの原因となるため「補血(血を補うという意味)」の食べ物を摂取するのがよいと考えられています。それぞれを代表する具体的な食べ物は、以下のとおりです。
- 熱性の食べ物
- 唐辛子、にんにく、こしょう、シナモン、酒など
- 温性の食べ物
- しょうが、かぼちゃ、たまねぎ、みょうが、くるみ、シソ、ニラ、鮭、いわし、もち米など
- 温中散寒の食べ物
- しょうが、ねぎ、にんにく、羊肉、シナモン、こしょう、酒、紅茶など
- 補血の食べ物
- レバー、牛肉、豚肉、鶏卵、人参、ほうれん草、黒豆、黒ごま、マグロ、カツオ、タコなど
冷え性改善におすすめの薬膳レシピはコチラ!
ここからは、冷え性の方におすすめの簡単に作れる薬膳レシピを紹介していきます。
しょうがとじゃことくるみの炊き込みご飯
材料(2人分)
- もち米:1合
- しょうが:大1かけ
- じゃこ:大さじ3
- くるみ:8粒
- 料理酒:大さじ1
- しょうゆ:大さじ1/2
- 水:適量
作り方
- もち米をとぎ、くるみは粗く刻み、生姜は千切りにする。じゃこには料理酒1/2を振りかけ、5分ほど置いて臭みがとれたら水気をきる
- 炊飯器にもち米を入れて好みの水加減にしたら、大さじ1杯分の水を取り除き、料理酒1/2と醤油を加えてよく混ぜ、しょうがとじゃこを上にのせて炊く
- 炊けたら5分ほど蒸らし、くるみを加えて混ぜ合わせたら完成
野菜の肉巻き
材料(2人分)
- 豚バラ肉:6枚
- にんじん(中):1本
- 白髪ねぎ:1/4本
- しめじ:1/2株
- さやいんげん(中):1本
- シソ:6枚
- しょうが:1かけ
- 塩麹:適量
- サラダ油:大さじ1/2
作り方
- 豚バラ肉を塩麹に1時間ほど浸ける。その間、にんじんは長さ8cmの棒状にし、さやいんげんは半分に切る、しょうがを千切りにする。そしてにんじんとしめじ、さやいんげんはさっと茹でるなどの準備を進めておく
- 豚バラ肉が浸かり終わったら、にんじん、さやいんげん、しそ、しめじ、しょうが、白髪ねぎを乗せて巻く
- フライパンにサラダ油をひいて、②を焼いてしっかり火が通ったら完成
おわりに:食材の性質を把握し、薬膳料理にチャレンジ!
「自分でも簡単に作れそう」と思っていただけたら幸いです。案外、薬膳料理はスーパーで買えるものだけでも作ることができます。ご紹介したレシピのほかにも、温性や熱性の食材などをうまく活用して、体の内側から冷え性体質を温めていきましょう。
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