記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「温活(おんかつ)」という言葉を、聞いたことはありませんか?
近年、健康や美容にさまざまな効果が期待される温活療法が注目を集めています。
今回は温活とは何かを、具体的なやり方や成功の秘訣とともに解説していきます。
温活とは、冷えを防止し身体を温める習慣をつけて基礎体温(平熱)を36.5~37℃の適温まで高め、健康や美容上の問題を解決しようという活動のことです。
かつては基礎体温は37℃前後が一般的でしたが、近年では低くなる傾向が見られ、女性では基礎体温が35℃にまで下がる「低体温」となる人も出てきています。
基礎体温が低くなることの弊害はさまざまで、一説には体温が1℃下がるごとに基礎代謝は10~20%、免疫力は30%も低下するといわれているほどです。
このように、基礎体温は人間の健康状態に密接にかかわっており、低くなることで風邪などの感染症にかかりやすくなる他、婦人科系疾患を起こしやすくなるとも言われています。
逆に言えば、温活によって基礎体温を37℃前後まで上げられれば、血流や基礎代謝が上がることで免疫力も高まり、健康的な美しさを得ることにもつながります。
温活に挑戦するなら、まずは第一歩として服装から変えていきましょう。
以下に、温活中の服装で気を付けるべきことをまとめましたので、参考にしてくださいね。
服を重ね着することで、肌と服の間、服と服の間に空気の層が生まれ保温性が高まります。
厚手の服を1枚着るよりも、薄手の服を何枚か重ね着した方が温活には適していますので、肌着を重ね着したり、薄手のショールを羽織ると良いでしょう。
心臓から遠い足元は冷えやすく、冷えた足元から心臓に戻る冷たい血液は、全身を冷やして体温低下の一因となります。
温活中は「頭寒足熱」を基本に、上半身を涼しく、足元は靴下やレッグウォーマー、ルームシューズなどを使って常に温かく保ちましょう。
たくさんの臓器が入っている腹部には、常に多くの血液が集まっています。
おなかが冷えると血流が集中し、末端まで十分な血液が行き渡らず全身の血行不良と冷えの原因になりますので、温活中は夏でも薄手の腹巻を着用しましょう。
頸部・手首・足首など「首」とつく部位には、薄い皮膚下に太い血管が通っています。
ここを温めることで、温かい血液を効率的に全身に運び、体温を上げやすくなりますので、マフラーやスカーフ、手袋、ネックウォーマーを使って対策しましょう。
温活中は、代謝を上げ血流を促進してくれる20~30分のぬるま湯半身浴がおすすめです。
以下に、温活中の入浴で気を付けるべきことをまとめましたので、確認してください。
温活では心身をリラックスした状態に導き、血流を促進すると言われる38~40℃のぬるめのお湯に毎日つかるのがおすすめです。
入浴方法としては、心臓への負担が少ない半身浴がおすすめです。
お湯の量を調整するか、湯舟に椅子を鎮めるなどして水位がおへそからこぶし1個分くらい上にくるようにして、腕はお湯の外に出した状態でつかりましょう。
なお、このままだと上半身と首が冷えてしまうので、半身浴をするときは首から肩までをスポーツタオルやバスタオルをかけて覆うにしてくださいね。
入浴中は、自分が思っているよりも多量の汗をかきます。温活のための半身浴をするなら、入浴前には必ずコップ1杯以上、また入浴中にも浴室に水筒やペットボトルを持ち込んでこまめな水分補給をしてくださいね。
服装や入浴で外部から上げる以外にも、運動をして筋肉量を増やすことでも、基礎体温を上げることができます。
特に、身体の70%の筋肉が集まると言われる下半身を鍛える運動を行えば血流と代謝が促進され、冷えが解消して基礎体温も徐々に高くなってくるといわれています。
基礎体温アップに効果的な運動の具体例としては、1日30分程度のウォーキングや、スクワットや足上げ、踏み台昇降などの運動が効果的です。
運動が苦手で、いきなり30分ものウォーキングや毎日の筋トレを習慣化するのが難しい場合は、以下の運動法から始めてみましょう。
基礎体温は1℃下がるごとに代謝や免疫力に低下させるといわれているほど、人間の健康維持に密接にかかわっています。温活は基礎体温を上げるための取り組みのことで、服装や入浴方法を工夫して外部から体温を上げる方法と、運動で筋肉量を増やして体内から体温を上げる方法の2つに大別されます。低体温の人が適温とされる37度前後まで体温を上げられれば、健康面・美容面の両方で大きなメリットが期待できるので、ぜひ挑戦してみてください。
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