記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/23 記事改定日: 2019/5/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夕方頃から足がパンパンにむくみ始め、鏡で足を見てゲンナリ…なんて経験はありませんか?足のむくみは特に女性に多い悩みですが、その主原因とされるのが「冷え性」。そこで今回は、冷え性からくる足のむくみへの有効な対策を紹介していきます。
健康な人の体内では、水分(リンパ液や細胞周辺の水分)は血管やリンパ管を通って全身をめぐっています。一方で冷え性の人は、血行が悪いために水分の巡りも滞りがちなので、水分がリンパ管や血液中から漏れ出し、細胞と細胞の間(細胞間脂質)に蓄積されるようになります。その結果現れるのがむくみです。特に足は血液を送り出す心臓から遠い位置にあるので、余計に血流の悪さの影響を受けやすい分、むくみが出やすくなります。
また、冷え性からくる足のむくみには、筋肉の働きも影響しています。ふだん筋肉は、収縮や弛緩を繰り返しながら手足の血液を心臓に戻してくれていますが、寒さや冷え性体質によって足元が冷えていると筋肉が硬くなり、ポンプ機能が衰えます。すると血液が心臓にうまく戻らなくなるために、血行が悪化し、むくむようになってしまうのです。
では、この冷え性からくる足のむくみを改善するには、どんなことをすればいいのでしょうか?おすすめの対策を一挙紹介していきます!
冷え性の人が足を動かさずにいると、ますます血行が悪くなり、むくみもひどくなります。デスクワークで座りっぱなしの人、立ち仕事で立ちっぱなしという人、それぞれにおすすめのストレッチをご紹介します。
内くるぶしから指4本分ほど上がった骨の際に「三陰交(さんいんこう)」というツボがあります。三陰交は下半身の冷えやむくみに有効とされているツボなので、冷え性からくる足のむくみにお悩みの方はここにカイロを貼ってみましょう。
足がスラッと見えるハイヒールは女性にとって嬉しいアイテムですが、かかとの高い靴は足首を動かすことが難しくなる分、ふくらはぎの筋肉の動きも制限されるため、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能も必然的に低下してむくみやすくなります。
また、オフィスサンダルもつま先や足の甲が露出してしまうため、冷え性の方にはおすすめできません。オフィスサンダルに履き替えたい場合は、厚めのタイツや靴下を必ず着用するようにしてください。ひざ掛けなどの防寒対策もお忘れなく。
キツく締め付けるようなボトムス、靴下などは血行を妨げ、冷えやむくみを悪化させる恐れがあります。また、冬はジーンズを履かれる方も多いですが、ジーンズは基本的に綿素材のため、素材自体の保温性はそこまで高くありません。冷え性の方は適度にゆとりのあるジーンズを選び、さらにタイツを重ね着しておくことをおすすめします。
冷え性を改善するには、日々食べるものも重要です。冷たいものではなく、温かいものを摂るようにしてください。また、味つけの濃いものもむくみの原因となるので、なるべく薄味のものを食べるようにしましょう。
冷え性からくるむくみにお悩みの方は、できるだけ毎日お風呂に入るようにしましょう。湯船に溜まったお湯の水圧には、足に蓄積された血液やリンパ液を押し戻す作用があります。これによって血管が拡張し血行が促されると、冷えた体が温まり、むくみも自然と緩和されます。
むくみの中には、心臓や肝臓、腎臓などの重篤な病気や血栓症などが背景にある場合もあります。これらのむくみには次のような特徴がありますので、当てはまる項目が多い人は病院を受診しましょう。
受診はそれぞれの病気に特化した診療科が適していますが、どこの臓器に異常があるのかを自己判断することはできませんので、まずは一般的な内科を受診するのがおススメです。
女性はそもそも筋肉量が少ないため、冷え性もむくみも起こりやすい傾向にあります。これから本格的に寒い季節に突入するので、冷え性やむくみ体質の方は、こまめにストレッチをしたり、冷えに効くツボにカイロを貼ったり、下半身を温めるファッションを心がけたりと、1つ1つの対策をしっかり実践してみてください。
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