犬を飼うときの注意点~怪我や感染症の予防~

2017/1/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

新しい家族の一員として、犬を飼うことを検討している人は多いと思います。
ただ、犬との生活は怪我や感染症のリスクと背中合わせでもあります。

今回の記事では、
そんな犬を飼う前や飼い始めたとき、
そして怪我をしてしまったときの注意点をまとめました。

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飼う前に

きちんと時間を掛け、ペットにしたい犬の品種を学んでください。獣医に聞いたり、本やインターネットで情報を仕入れることができます。くれぐれも見た目だけで選ばないようにしてください。
乳幼児がいる家ならば、攻撃的な品種は避け、子犬を飼うのがおすすめです(このとき、乳幼児と犬を一緒に放置することがないよう注意してください)。また、オスのほうが凶暴といわれますが、基本的に去勢していれば攻撃的ではありません。

飼い始めたら

いよいよ、かわいいワンちゃんを家族に迎える日がやってきました。しかし、犬を飼い始めたらやらなければいけないことがあります。

訓練を受けさせる

犬がきちんと言うことを聞くよう、服従訓練学校に連れていくことを検討してもいいでしょう。

犬の予防接種

犬の予防接種を行い、定期的に獣医の検診を受けるようにしてください。

怪我を防ぐために~子どもがいる場合~

犬に最も噛まれやすいのは子どもです。子どもは接し方を知らないために、苛立って噛まれてしまうケースが多いです。
怪我を防ぐために、以下のことを呼びかけてください。
・食べたり、寝たり、子犬の面倒を看ている最中の犬には構わない
・ペット同士が喧嘩中のときに仲裁しない
・犬と遊ぶときは常に大人と一緒にいる
・犬をいじめない
・(初対面のとき)犬に匂いを嗅がせる前に撫でない
・犬が子どもに近づいても、逃げたり悲鳴を上げたりせずじっとする
・犬の目を見つめない
・もし押し倒されたらじっとする
公共の場では紐につないでおく
・噛まれたらすぐに大人に伝える

噛まれてしまったら

では、もし犬に噛まれてしまったらどうすればいいのでしょうか?

応急処置

万が一の感染症を防ぐため、以下を行ってください。
・石鹸と水でやさしく洗う
・きれいなタオルで負傷箇所をぎゅっと止血する
・負傷箇所に包帯を巻く
・傷の部分を心臓より高い位置に保ち、腫れを遅らせ感染を防ぐ
・治癒するまで一日2回抗生物質の軟膏を塗る
・(必要に応じて)医師の診察を受ける

病院での治療

以下の症状が出たら、病院を受診してください。
・手、足、頭に噛み傷がある(または噛み傷が深くて大きい)
・糖尿病、肝臓または肺の病気、癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)など免疫力に関わる持病がある場合
・発赤、腫れ、火照り、圧痛の増加、傷口からの膿の滲出、発熱などの感染の徴候がある
・15分間圧迫しても出血が止まらない
・骨が折れているか
・神経障害など重傷の可能性があると思われる場合
・最後の破傷風ワクチンを受けたのが5年以上前の場合
・ワクチン接種を受けていないペットに噛まれた場合

病院では以下の検査や治療を行うことがあります。
・神経損傷、腱損傷、骨損傷や感染症がないかの検査
・傷の消毒と損傷組織の除去
・傷口を開いて治療し、感染のリスクを抑える
・抗生物質の処方
怪我がひどい場合や抗生物質を服用しても改善されない場合は、医師に相談し、状況に応じて静脈への点滴などを行ってください。

狂犬病を防ぐ

狂犬病は非常に珍しい病気のため、噛まれてしまってもおそらく注射の必要はありません。 基本的に、噛んできた犬が健康そうなら、狂犬病ではありません(念のため、犬の予防接種記録を確認することが望ましいです)。
しかし、もし犬が狂犬病だった場合は、一連の狂犬病予防接種を受ける必要があります。噛まれた後、できるだけ早く2回注射する必要があります。その後、2週間にわたってさらに3回注射します。

おわりに

犬は人間にとって素晴らしいパートナーですが、衛生管理に気をつけないと大きな病気に巻き込まれることがあります。犬の健康状態をきちんと把握し、犬と正しい接し方を心がけ、快適なペットライフを送るようにしてください。

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