記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ガングリオンは、関節周辺にできる大小さまざまなイボ・こぶのようなものです。
その大きさや感触はさまざまですが、痛みなどの症状が出てくるものなのでしょうか。
今回はガングリオンによる痛みの症状や、痛みが出た場合に受けるべき治療法などについて、ご紹介していきます。
関節を包む関節包(かんせつほう)からゼリー状の物質が染み出し、関節付近の皮下で溜まって腫れてしまったものを「ガングリオン」といいます。
その大きさ・感触・発生スピードは人によって異なり、数mmから3~4cmのもの、柔らかいものや硬い質感のもの、徐々に腫れるものもあれば急激に膨らむものまであります。
ガングリオンは、各所の関節周辺にでき得るものですが、特にできやすいのは手首と手指の付け根の関節周辺です。手のひら側・手の甲側の両方にできやすいのも特徴です。
また、ガングリオンを発症しやすいのは20~50歳までの年代、特に女性に多いとされます。
ガングリオン自体は、体液が染み出て溜まった良性の腫瘤(しゅりゅう)です。
このため、症状は不快感や違和感を生じる程度で、痛みを発するできものではありません。
ただし、ガングリオンのできる位置や大きさによっては、周囲の神経や血管を圧迫してしまうため、強い痛みやしびれを生じさせる場合があります。特に、狭いスペースにたくさんの神経や血管が密集している手首周辺に大きなガングリオンができた場合は、強い痛みを伴う可能性が高くなります。
ガングリオンが発生する原因は、はっきりとは解明されていません。
ただメカニズムとしては、関節を動かすための潤滑液が何らかのきっかけで皮下の袋に流れ出し、ゼリー状に濃縮されて溜まることでガングリオンができると考えられています。
しかし、なぜ皮下にガングリオンとなる袋ができてしまうのか、またなぜ関節を動かすための潤滑液が関節包から流れ出てしまうのかは、わかっていないのが現状です。
一説には「手や足・指の酷使が原因で発症する」という考え方もありますが、関節の使い過ぎなどでガングリオンができる可能性は極めて低いと考えられています。
先述したように、ガングリオンは良性腫瘤であるため、痛み・しびれなどの症状がなければ、治療せずに放っておいても問題ありません。
ただし、痛みやしびれがあって辛かったり、見た目や機能的に気になってしまう場合は、整形外科の病院で治療してもらえます。
ガングリオンの治療法としては、大きく分けて手術をしない「保存的療法」と外科手術で切除する「手術療法」の2つがあります。
基本的には、痛みがないうちはまず、保存的療法でガングリオンの縮小を試みます。
しかし、穿刺吸引療法を行ってもガングリオンが再発を繰り返したり、痛みが強い状態である場合は、外科手術でガングリオンを取り除く処置がとられます。
なお、外科手術でガングリオンを切除しても、再発する可能性はあります。
どの程度の確率で再発するかは、手術を担当した医師の技量によっても変わってきますが、7~43%の確率で再発するといわれています。
ガングリオンは関節包から染み出た体液が濃縮して溜まったもので、基本的には痛みを伴うことはありません。しかし、ガングリオンが周囲の神経を圧迫すると、強い痛みやしびれが起こることがあります。
治療法としては、注射で内容物を吸い出して小さくするか、手術で取り出してしまうのが一般的です。いずれの治療も、整形外科の病院で受けられますので、詳しくは医師に相談してください。
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