記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2017/4/13 記事改定日: 2019/10/7
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
赤ちゃんは立ち上がるようになると、今度は歩こうとするようになります。
では、赤ちゃんが歩くようになるのはいつ頃でしょうか?
歩くようになるために、できることはあるのでしょうか?
生後9~10ヵ月頃になると、赤ちゃんは立ち上がってよちよち歩きを始めるようになります。
その後まっすぐ立てるようになると、家具や両親の脚を使って立ち上がる時期を経て、平均して生後14ヵ月頃にひとりで歩けるようになります。
ただ、ここまでに18ヵ月かかる子もいれば、生後7ヵ月で歩けるようになる子もいます。
最終的にはどんな赤ちゃんも歩けるようになりますが、なかなかスムーズにいかない場合もあることは覚えておきましょう。
また、飼い犬に興味を持ったり離乳食に夢中になったりすると、赤ちゃんは数週間から1ヵ月、歩こうとしないことがあります。ハイハイのほうが好きな赤ちゃんもいますし、歩いて転んだらハイハイに戻る赤ちゃんもいます。
赤ちゃんはそれぞれのペースで成長するので、赤ちゃんが生後10ヵ月〜1歳まで歩かない場合でも、そこまで心配しなくてもいいでしょう。
赤ちゃんの歩き初めには個人差があります。育児書やインターネットなどの情報で「〇〇までに歩き始めます」というようなものはあくまで目安として考えましょう。
ただ、一般的には生後18か月を過ぎても歩き始めない場合は神経や筋肉、骨など運動を関わる器官に何らかの異常がある可能性があります。
とくに次のような状態に当てはまる場合は、できるだけ早く専門の病院で相談することをおすすめします。
赤ちゃんはある程度自由にさせたほうが、元気に歩くようになるといわれています。
まずは「赤ちゃんが歩くための環境」を整えることが大切です。
たとえば、赤ちゃんの好奇心を刺激するようなおもちゃを、「歩けば届く距離」に置いてみてはいかがでしょうか。
そして、赤ちゃんが歩るけるようになるためには、バランスがとるための練習が必要です。
赤ちゃんが進もうとする道すじに、コーヒーテーブルやテレビスタンドといった家具を置いておくと、バランスをとる補助になるのでおすすめです。
ただし、赤ちゃんがケガをしないように角にはクッションカバーをつけておきましょう。
また、手押し車を使わせてあげるとバランスが安定して歩きやすくなります。寄りかかったりぶつけたりしても壊れない丈夫なものを買ってあげてください。
押すタイプのおもちゃは、まだ自分の力で立ったり歩いたりすることができない赤ちゃんにとって支えになり、全身の動きを身につけるのに効果的です。
押すタイプのおもちゃを通じて力強さやバランス、そして自信を芽生えさせるのに役立ちます。
力強さ・バランス・自信の3つの要素は、歩く力を身につけるのに欠かせない資質です。
なお、押すタイプのおもちゃと同じく、引っ張るおもちゃや上に乗るおもちゃもバランスや筋肉の調整能力を高めます。
乗るタイプのおもちゃのほとんどは後ろにハンドルかバーがついており、おもちゃの後ろに回ってよちよち歩くのを楽にしてくれます。もし赤ちゃんがこのタイプのおもちゃを初めて使うなら、赤ちゃんの手をバーの上に置いて、立ち上がるのを手伝ってあげましょう。
歩行器は転倒の危険性があるので、使わないことをおすすめします。
なお、遊具つき歩行器はただの歩行器に比べ転倒の危険性は低いですが、歩行能力は高めてくれません。
これは、赤ちゃんが歩けるようになるためには、脚だけでなく腕と胴の筋肉も鍛える必要があるからです。歩行器を使うのは「30分以内」におさえておきましょう。
歩く練習のためには、靴を履くよりも裸足の方がいいです。
裸足で歩くことは、足と足首の筋肉を鍛え、バランス感を養い、土踏まずの成長を促進してくれます。
屋外で歩かせるときは、軽くて生地が薄い靴を履かせてください。
なお、足首をサポートするハイカットの靴は動きを制限するため、歩行能力の発達が遅れることがあります。
赤ちゃんが歩くようになるまでにかかる時間には個人差があります。ほかの子と比べてタイミングが遅かったとしても、何か問題のあるサインが出ていないようならそこまで心配する必要はないでしょう。
「こうすれば必ず早く歩けるようになる」という方法はありませんが、赤ちゃんが歩きやすい環境、歩きたくなる環境を整えてあげることはとても大切なことです。
歩けるようになるまでゆっくり見守りながら、サポートしてあげてくださいね。