便秘にビオフェルミン®が効くのはなぜ?どんなタイプのビオフェルミン®が有効?

2018/11/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

市販の便秘薬にはさまざまな種類がありますが、中でも認知度が高いのが「ビオフェルミン®」ではないでしょうか。今回はこのビオフェルミン®が便秘に効く理由や、便秘に効果が期待できるのはどのタイプのビオフェルミン®かについて解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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便秘ってどんな状態?

「便秘」とは、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」です。ただし個人差があることから、便が長時間腸内に留まりお腹が張るなどの不快な症状がある、便が硬くて排便に努力が必要、排便後にも直腸に残便感がある、なども便秘とされています。

便秘には、便がつくられる過程や排便の仕組みに障害がある「機能性便秘」と、腸の通過や排出障害による「器質性便秘」の2種類があります。

機能性便秘には、高齢者などに多い腸の運動や筋力の低下による「弛緩性便秘」、排便を我慢したり浣腸を乱用することによって起こる「直腸性便秘」、下剤の乱用や過敏性腸炎などが関係して起こる「けいれん性便秘」があります。また器質性便秘は、大腸の炎症やがん、手術後の癒着などを原因とする場合が多くあります。出血や腹痛、おう吐を伴ったり急に便が止まる場合などは急性器質性便秘の可能性があるので、すぐに病院に受診しましょう。

ビオフェルミン®が便秘に効果があるのはなぜ?

「ビオフェルミン®」は整腸剤で、即効性が期待できる一般の便秘薬とは異なります。成分は主に「乳酸菌」という代表的な善玉菌で、医療用医薬品のビオフェルミン®錠剤の成分は乳酸菌である「ビフィズス菌」です。

乳酸菌は腸内で増殖し、乳酸と酢酸をつくることで悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、乱れた腸内細菌のバランスを改善し、お腹の不調をやわらげます。また、乳酸や酢酸には、腸の運動を正常にして下痢や便秘などを改善する整腸作用があります。

ビオフェルミン®は即効性はありませんが、腸内環境を少しずつ改善させることによって穏かに便秘を改善します。安全性が高く体への負担や副作用もないため、子供からお年寄りまで安心して服用することができます。

便秘に効果があるビオフェルミン®はどれ?

整腸剤に用いられる乳酸菌にはいろいろあり、それぞれ特徴があります。便秘に効果のある市販のビオフェルミン®は4種類あります。

まず『新ビオフェルミン®S』は、役割の異なる3種の乳酸菌が配合され、日ごろから便秘がちの人や食事などの生活習慣が乱れている人などにおすすめです。細粒であれば生後3ヶ月から服用が可能です。

『ビオフェルミン®ぽっこり整腸チュアブル』は、2種類の乳酸菌と生薬、消泡剤が含まれ、便秘がちでお腹が張っているような場合におすすめです。

『ビオフェルミン®便秘薬』はビコスルファートナトリウム水和物と2種類の乳酸菌が配合された、現に便秘や便秘による肌あれなどの症状に悩んでいる人におすすめの便秘薬で、11歳以上で服用可能です。

『ビオフェルミン®VC』は、2種類の乳酸菌と3種類のビタミンを含み、栄養が偏った食事などで腸内環境を崩し、ガスが発生してお腹が張っているような場合におすすめです。

おわりに:ビオフェルミン®は緩やかに便秘を改善していく整腸剤

整腸剤であるビオフェルミン®は、一般の便秘薬のような即効性はありませんが、乳酸菌が無理なく腸内環境を整えていくことで便秘の改善に役立ちます。乳酸菌にはいろいろな種類・特徴があることから、現在では便秘の状態に合わせて服用できる4つのビオフェルミン®が販売されています。ご自身の便秘のタイプに合わせ、薬を選んでいきましょう。

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