大人が牛乳やチーズから必要な栄養を摂るときのコツ

2017/2/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品は、たんぱく質とカルシウムだけでなく、ビタミンB2、B12を豊富に含んでいます。健康的な食生活を送るためには欠かせない飲み物ですが、気になるのは脂肪分。脂肪分を摂りすぎると肥満の原因になるため、大人が飲むときは選び方にコツがあるのです。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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大人にお勧めの乳製品とは

乳製品の総脂肪含有量は、製品によって大きく異なります。乳脂肪は、乳児にとってカロリーの重要な供給源になります。しかし、乳脂肪の多くは飽和脂肪酸で、成長した子どもや大人の場合、脂肪が多すぎるとエネルギーの過剰摂取につながり、肥満になる可能性があります。また、食事で飽和脂肪酸を摂りすぎると血液中のコレステロール値が上昇することがあるため、心臓発作や脳卒中のリスクが高くなります。

したがって、飽和脂肪酸の摂取を減らしたい場合は低脂肪牛乳やスキムミルク(大人用の粉ミルク)を選ぶのがお勧めです(脂肪分の量は、スキムミルクのほうが少ないです)。これらは脂肪分を抑えつつ、牛乳の重要な栄養素をすべて摂取することができます。

チーズは牛乳の代わりになるのか

チーズも健康的な食べ物ではあるものの、脂肪分や塩分を多く含んでいるため、食べる量と頻度に気をつけたほうがよいでしょう。

ブリーチーズやチェダーチーズなど、ほとんどのチーズは100gあたり20gから40gの脂肪分を含んでいます(100gあたり17.5g以上の脂肪を含む食品は「脂肪分が多い」とみなされています)。また、カマンベールチーズやブルーチーズなどは塩分を多く含むため、摂取しすぎると高血圧になるリスクが高くなります(100gあたり1.5g以上塩分が含まれていると高いとみなされます)。

したがって、チーズそのものを食べるときは、脂肪分が通常100gあたり10g~16gぐらいの低脂肪のハードチーズを選びましょう。低脂肪カッテージチーズや低脂肪クワルクチーズなどは、100gあたりに含まれる脂肪分が3g以下と、控えめになっています。

また、料理やパスタソースにチーズを使うときは、熟したチェダーチーズやブルーチーズなど、より風味の強いものを使うと使用量を抑えることができます。

そのほかの乳製品を使うとき

ほかの乳製品を使うときには、どんなことに気をつければいいでしょうか。

バター

脂肪分が多いので、控えめにお使いください。低脂肪タイプのファストスプレッドをバターの代わりに使うこともできます。

クリーム

バターと同じく脂肪分が多いので、控えめにお使いください。料理で使うときは、生クリームやサワークリームの代わりに、低脂肪タイプのサワークリームや生クリームを選びましょう。

もし店頭にないときは、プレーンヨーグルトやフロマージュ・フレ(もしくはフロマージュ・ブラン)で代用することもできます。ヨーグルトやフロマージュ・フレは、低脂肪タイプのものを選んでください。また、なるべく砂糖が入っていないものを選びましょう(普通の低脂肪ヨーグルトには糖分は通常含まれていません)。これらの食品は、脂肪分がクリームより少ないだけで、たんぱく質やカルシウム、ビタミンBやマグネシウムなどはほぼ同じくらい含まれています。

おわりに

牛乳やチーズといった乳製品には、たんぱく質やカルシウムだけでなく、ビタミンB2やビタミンB12などの必須ビタミンといった栄養素も豊富に含んでいます。ただ、脂肪分が多いため、大人が飲むときは低脂肪のものを選ぶことが大切です。乳製品の栄養素は、パッケージ裏のラベルの栄養表示で確認できます。似たような製品を比べながら、より健康的なものを選んでください。

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