記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
あかぎれやひびに効くといわれる軟膏にはさまざまな種類があります。今回はその中でも、「アロエ軟膏」の効能についてお伝えしていきます。
日本で多く見られるのはキダチアロエという種ですが、国内で使用されている唯一のアロエ皮膚薬「間宮アロエ軟膏」には、南アフリカ産のケープアロエの成分が含まれています。このケープアロエは正式にはアロエフェロックスというアロエで、医薬品用のアロエを抽出するアロエとして、医薬品の規格や基準を定めた日本薬局方に収載されているアロエです。
このアロエの木部や篩部の内側には粘液質の層があり、この粘液質にはアロエ自身の傷を治す作用があるといわれています。そしてアロエを食べたときの苦味の成分「アロイン」には、傷を修復する薬効があるともいわれています。
またこのほかにも、アロエには保湿作用、肌を整え傷などの痛みを緩和する収れん作用、消炎作用、肌の血行を良くする血行促進作用、肌を細菌から守る抗菌作用など、肌トラブルへの効能をたくさんもつとされています。
さらに間宮アロエ軟膏には、肌を外部刺激から守り、水分の蒸散を防ぐワセリンやラノリン、肌に潤いを与えるオリーブ油が配合されているため、肌表面の潤いを保ちつつ、バリア機能を高める効果も期待できます。
上述のようなさまざまな効能から、アロエ軟膏もあかぎれやひびの改善・予防に一定程度の効果が期待できる軟膏といえるでしょう。ただし配合成分のラノリンでかぶれてしまう人もいるので、肌に炎症などが起きた場合はすぐに使用を中止してください。
冬の肌トラブルの代表格ともいえるあかぎれやひびには、適切なケアが必要です。今回ご紹介したアロエ軟膏は、成分から一定程度の治療効果が見込めますが、もし塗ってみても改善が見られない場合は皮膚科を受診しましょう。
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