高齢者がインフルエンザになるのはキケンな理由は?予防するには?

2018/11/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「高齢者はインフルエンザに罹患すると危険」とはよく聞く話で、実際ワクチンの接種も推奨されています。では、なぜ特に高齢者は危険性が高いといわれるのでしょうか?予防法と併せてお伝えしていきます。

高齢者はインフルエンザにかかるとキケン!

高齢者にとってインフルエンザはハイリスク群に区別されている疾患です。インフルエンザが高齢者にとって最も危険である理由は、命を落とす可能性が非常に高いからとされています。

高齢者がインフルエンザに罹患する確率は20歳代と同じくらいと非常に低い確率であるものの、インフルエンザに感染後の致死率は非常に高くなっており、インフルエンザによって死亡してしまう人は高齢者がほとんどであるといっても過言ではありません。

また、致死率だけでなく、一度感染すると若い人よりも症状が強く出やすく、重症化しやすいことも特徴です。特に呼吸器や心臓、腎臓などに持病のある高齢者では命にかかわるほど重症化しやすくなっています。

さらに、インフルエンザにかかることで合併症を併発する可能性が高いことも特徴で、肺炎を併発して命を落としてしまうケースも少なくありません。

高齢者がインフルエンザを予防するには?

手洗い・うがいの徹底

インフルエンザを予防するための最も良い方法は手洗い、うがいです。インフルエンザウイルスの主な感染経路は飛沫感染あるいは接触感染のため、これらを徹底することでインフルエンザを予防することができます。

手洗いは、外から帰宅したら必ず行うようにしましょう。石鹸、流水を使用し、手洗いを行った後は清潔なタオルで拭きましょう。

また、外出後だけでなく食事前後の手洗いも効果的です。また、インフルエンザウイルスに対してはアルコール製剤による手指衛生も効果があるため併用すると良いでしょう。

うがいも、外から帰宅したら行いましょう。うがい薬などを使用しなくても水道水でも十分効果があります。

人込みへの外出は極力控える

また、インフルエンザの流行シーズンは人の多いところへの外出は控えましょう。症状が出現しなくてもインフルエンザウイルスを保菌している場合があり、そういった方の咳やくしゃみを受けることで感染する確率はあがります。

不要不急の外出は控え、もしも外出しなければならない場合にはマスクを着用するようにしましょう。インフルエンザウイルスの予防には不織布製マスクが効果が高いといわれているため、装着をおすすめします。

加湿

空気が乾燥してくると気道粘膜の防御機能が低下してくるため、インフルエンザに感染する確率が高くなります。室内では、加湿器などを使って適切な湿度である50~60%を保つこともインフルエンザの感染予防に効果的です。

栄養と休養をしっかりとる

さらにいくら上記のような予防に講じていても、自分自身の抵抗力が低下していればインフルエンザに感染してしまいます。十分に栄養を摂り、睡眠をとる、ストレスをため込まないなど自身の抵抗力もあげておくようにしましょう。

インフルエンザのワクチン接種も忘れずに!

前述した予防法に加え、おすすめしたいのがワクチン接種です。このインフルエンザワクチンの目的は、感染を予防することではなく、重症化を予防することにあります。

統計によれば、ワクチン接種を受けた高齢者は死亡率が5分の1に、入院のリスクが3分の1から2分の1にまで減少することが期待できるとされています。また、国内で行われたとある研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされており、高齢者のワクチン接種はインフルエンザの予防に効果的であることが証明されています。

高齢者は予防接種法に基づいて定期のインフルエンザ予防接種の対象者となっています。お住まいの地域によって費用は実施期間が異なるため、居住する市区町村へ問い合わせておくことをおすすめします。

おわりに:高齢者こそインフルエンザの予防を徹底的に!

インフルエンザは老若男女問わずに感染する疾患ですが、高齢者においては感染すると死亡する可能性もある、注意が必要な疾患です。インフルエンザを予防するためには手洗い、うがいが第一であるほか、マスクの着用や不要不急の外出を控えることがよいとされています。

また、インフルエンザワクチンはインフルエンザの重症化予防に最も効果的であり、それを証明する研究結果もあります。高齢者は特にインフルエンザワクチンを接種するなどしてインフルエンザを予防していきましょう。

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