記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
おしっこをしたらトイレの水が真っ赤になっていて、ドキッとした経験はありませんか?でも、生理のある女性の場合、排尿時の出血だけで生理なのか、それとも血尿なのかを見た目だけで判断するのは、難しいですよね。
今回は女性の排尿時の出血を、生理か血尿なのかを見分けるポイントをご紹介します。
生理中ではなくても、急に生理が始まって予期せず尿に経血が混じるケースもあります。このため、女性がトイレの水の色だけで生理による出血か、血尿かを見分けることはできません。
ただ、尿に混じった血が生理か、血尿かを見極めるには、血尿以外にどのような症状が出ているかがポイントになってきます。血尿とあわせて以下のような症状が出ているときは、生理ではなく膀胱や腎臓などの器官にトラブルが起きている可能性があると考えらえます。
他にも、眠気やイライラなど、その人にとって生理中特有の症状が出ているなら、生理による尿潜血の可能性があります。
ただし、排尿痛や残尿感などの症状がないからといって、生理だと断言することはできません。あくまで症状の有無は判断の目安としてください。
血尿とともに排尿痛や腹痛、残尿感の症状が出ている場合、まず疑われるのは膀胱炎(ぼうこうえん)という病気の発症です。
膀胱炎は、尿を貯めておくための柔らかい袋状の臓器である膀胱が炎症を起こすことで、本来の機能が阻害されて頻尿や残尿感、排尿痛や腹痛を引き起こす病気です。
炎症は、肛門から腟に入り込んで棲みついた大腸菌や腸内細菌が、尿道をさかのぼって膀胱にまで到達することで発症します。
女性の場合、尿道が3~4cmと短いこと、そして構造的に膣・肛門・尿道の位置が近く細菌感染を起こしやすいことから、男性に比べ膀胱炎を発症しやすいとされています。
血尿の原因が膀胱炎だった場合、基本的には抗生物質で細菌を殺し、炎症を抑えるための投薬治療が行われます。
あわせて水分を十分に摂取し、尿の量を増やすことも症状緩和に役立ちます。
この治療法により、8割程度は薬の服用を始めてから3日ほどで血尿や頻尿・痛みなどの自覚症状がなくなるといわれており、1週間程で尿から細菌が検出されなくなれば完治となります。
ただし、近年では特定の抗生物質に耐性を持つ細菌も出てきたため、細菌の薬剤への反応を見つつ、膀胱炎の治療薬を選択する必要があります。
詳しくは、泌尿器科で検査・治療を行ってくれる担当医に相談してください。
定期的に生理で出血する女性が、生理による尿潜血か、血尿かを見た目だけで判断するのは、不可能に近いです。女性の尿潜血が生理か、それとも血尿かを見分けるには、他に頻尿・残尿感・排尿痛などの症状が出ているかどうかが、判断基準のひとつとなるでしょう。血尿であった場合、まず疑われるのは女性が発症しやすい膀胱炎です。膀胱炎を発症している場合、医師による投薬治療が必要になりますので、すぐに泌尿器科を受診しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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