記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
逆流性食道炎は胃酸などが逆流して食道に炎症が起きる病気です。逆流性食道炎になると色々な症状が出ます。「もしかして当てはまるかも」と思った場合は、早めに受診しましょう。今回は逆流性食道炎の症状や検査方法などをまとめました。
暴飲暴食を続けると、胃の入り口にある胃酸の逆流を防ぐ筋肉が緩みます。そうすると胃酸や消化途中の食物が食道まで逆流します。胃酸は強い酸性であるため、逆流することで食道がただれます。これが逆流性食道炎です。特に肥満気味の中高年男性は逆流性食道炎になりやすいとされています。
たまにげっぷと共に酸っぱさや苦みを感じる胃酸などがこみあげることがありますが、健康な状態なら胃酸が逆流しても食道のぜん動運動で胃へ戻すことができます。しかし、ぜん動運動が衰えると胃酸が食道に長く留まるようになり、そのせいで粘膜に炎症がおきます。
炎症が進行するとびらんや潰瘍になる場合もありますので、我慢せずに内科や消化器科で相談すると良いでしょう。
以下の症状が続く場合、逆流性食道炎の可能性があります。
その他にも、胸やけ・げっぷ・むかつき・不眠などの症状が出ます。しかし、逆流性食道炎になっても、あまり症状が出ない人もいるので注意が必要です。
逆流性食道炎かどうかをはっきりさせるためには、病院で問診や検査を受けるのが一番です。
正確な診断のためにも、症状を詳しく伝えることが肝心です。病院によっては逆流性食道炎の診断用に作られた「QUEST問診票」を使って症状を判定します。
胃カメラを口や鼻から入れ、モニターで食道の粘膜をチェックし、状態を確認します。炎症や潰瘍などが目視できるため、症状の進行具合もわかります。粘膜の色の変化、びらんや潰瘍の大きさによって判定する「ロサンゼルス分類」が使って重症度を決定する場合もあります。
食道にできた潰瘍の原因が、逆流性食道炎なのか、がんなどの病気なのかを判断するのが難しい場合は、潰瘍部分の組織を取り、組織学的検査を実施します。
内視鏡検査で異常が見られない人や、内視鏡検査が実施できない人には、酸分泌抑制薬による診断法である「PPIテスト」を実施します。逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症の治療に使用されている「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」を1週間ほど服用し、効果をチェックする診断法です。服用により、胸やけなどの症状が改善されれば、逆流性食道炎の可能性が高いと診断します。
喉の違和感や胸やけなどは、逆流性食道炎による場合が多いですが、中には食道がんや咽頭がんなどによって、同じような症状が出ていることもあります。「この症状……逆流性食道炎かな?」と思う場合は、診察や検査を受けた方が安全です。
食べ過ぎたときなど、たまにゲップとともに胃液が上がってくることはあると思います。しかし、胸焼けや痛みなどを感じた時はすぐに受診した方が良いでしょう。がんなどの他の病気が見つかるかも知れません。やはり早期発見・早期治療が肝心ですので、我慢は禁物です。
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