記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃酸の逆流で起こる逆流性食道炎は、消化管の不快感を中心としてさまざまな症状が現れます。では、具体的に逆流性食道炎には、どのような症状があるのでしょうか?また、逆流性食道炎の原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
逆流性食道炎の症状には、以下のようなものがあります。
逆流性食道炎といっても、必ずしも胃や食道に痛みが出るとは限りません。主な症状は胃もたれや胃のむかつき、お腹が張るといった違和感です。また、逆流が喉のあたりまで到達していると声のかすれや咳など、喉の異常となって症状が現れることもあります。
胃もたれや胸焼けは、食後に現れやすい症状です。食後になんとなく胃が重苦しい、胸焼けがする、思わず胸元を手でこすってしまうなどの症状がある場合は注意が必要です。また、不快感やお腹が張ったり、胃がむかむかしたりという違和感となって症状が現れることもあります。
逆流性食道炎の診断には、内視鏡などの検査を行うこともありますが、多くは検査をせずに問診のみで診断を下します。これは、逆流性食道炎を特定することのできる食道内pH測定や内圧測定は患者さんの負担が大きく、かつ検査ができる病院の数も限られていること、また、それよりも簡便な上部消化管X線検査や内視鏡検査では逆流性食道炎の特定ができないこともあり、最終的な診断を問診に頼ることが多いためです。
上部消化管X線検査や内視鏡検査では食道裂孔ヘルニアや、逆流性食道炎のうち実際に食道に炎症が起こっている場合は検査によって見つけることができます。しかし、胃酸の逆流が起こっている段階では見つけづらく、逆流性食道炎の全てを見つけられる検査とはいえません。
そこで、実際の医療現場では、問診による症状確認を診断の要とし、検査は悪性病変でないことを確認するために行うことが多いです。問診では症状のほか、生活習慣や服薬中の薬、既往歴などを確認します。逆流性食道炎の診断のための問診票を使うところもあります。
また、内視鏡検査などの検査を行わない場合、PPI(プロトンポンプ阻害薬)という胃酸分泌抑制剤を7日間服用して効果があるかどうか確認することで検査とする場合もあります。PPIの服用で症状の改善に効果があれば、逆流性食道炎である可能性が高く、そのまま投薬治療を続けることが有効です。
逆流性食道炎の発症の原因は以下の6つに大別されます。
加齢による筋力低下などの消化管の機能低下は予防の方法がありませんが、姿勢や食事、肥満などは生活習慣の見直しなどで改善することが可能です。また、投薬中の薬があって逆流性食道炎に悩まされている人は、医師や薬剤師に相談しましょう。
逆流性食道炎の多くは、加齢や生活習慣による食道や胃の筋力や運動能力の低下、胃酸分泌の過多などによって起こります。この記事の初めに紹介したような症状がある場合、まずは生活習慣の見直しをしてみましょう。
しかし、消化管の不調は逆流性食道炎以外の疾患が隠れている場合もあります。生活習慣の見直しでも改善しない場合は、早めに病院に行って医師に相談しましょう。
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