逆流性食道炎の治療はどんなふうに行われる?手術が必要な場合は?

2018/10/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

逆流性食道炎の治療は、主に薬の投与と生活習慣(とくに食生活)の改善ですが、手術が必要になる場合もあります。いったいどのような人に手術がすすめられるのでしょうか。
この記事では、逆流性食道炎の手術と治療について解説していきます。

逆流性食道炎を薬で治療する場合の期間ってどのくらい?

逆流性食道炎という診断を受けた場合、まずは薬剤を用いて治療を行います。薬剤は、胃酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、制酸薬の4種類を組み合わせて治療を行います。

薬剤の治療では、プロトンポンプ阻害薬を8週間ほど使用して経過を見ます。症状がこれで改善される場合がほとんどですが、薬剤中止後に症状が見られる人もおり、再発を防止する目的で長期間薬剤の服用を継続しなければならない場合もあります。

薬の服用中に食事や毎日の過ごし方で気をつけることは?

逆流性食道炎の治療の根幹は薬物療法と日常生活であるとされています。そのため、薬を服用するだけでなく、食事や日々の過ごし方も気をつけなければなりません。

食生活の見直しでは暴飲暴食を避け、胸やけを起こしやすい脂肪の多い食物、チョコレートなどの甘いもの、柑橘類に加え、胃酸の分泌を高めてしまうコーヒー・紅茶、香辛料、アルコール類、タバコの摂取を控えることが必要になります。

他にも、日々の姿勢に対しても注意が必要です。胸やけが強い場合は寝るときに胸の中央部から上を高くしてから眠るように心がけ、横向きで寝たい場合は左側臥位とし、うつぶせでは眠らないようにしましょう。また、前屈みの姿勢、排便時の力み、ベルトや帯でお腹を締め付ける、重い物を持つなどの腹圧を上げることを避けることも必要です。
さらに、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるため食後1~2時間は横にならないように心がけましょう。

逆流性食道炎の治療で手術は絶対に必要?

逆流性食道炎の治療はまず薬剤の使用と日常生活を見直していきますが、それでも改善が見込まれないという場合は手術の適応になることもあります。

手術を強くすすめられるケースは、逆流により肺炎や咳などの呼吸器症状を認める人、プロトンポンプ阻害薬で治らなかった人、概ね40歳以下の若い人、短食道や狭窄などの合併症を併発した人となります。

そして、手術をすすめるケースでは、プロトンポンプ阻害薬をやめると症状や食道炎が再発する人、胃酸以外の原因で症状や食道炎が認められる人、薬の飲み忘れが多い人、バレット食道を合併した人となります。特にバレット食道は食道がんの原因にもなるといわれているため、食道がんを回避するためにも手術が望ましいと考えらています。

手術前には術前の検査を行い、手術に適しているかどうかをチェックした上で行います。
手術は噴門形成術と呼ばれる方法で、胸に飛び出している胃をお腹に引き戻し、胸とお腹を隔てている筋肉の膜である横隔膜の、食道が通る穴を縫い縮め、胃の一番頭の部分である胃底部を食道に巻きつけます。この手術は腹腔鏡下でも行うことが可能です。

手術は全身麻酔で2時間30分から3時間ほどで終了し、術後の入院期間は7日間程度です。術後は嚥下困難感が出ることもありますが、1か月ほどでかなり改善され、3か月ほどでほぼ消失します。退院後は1週間ほどで職場復帰も可能です。

おわりに:薬物療法と日常生活の見直しを行ってから手術の検討を

逆流性食道炎では、胃酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、制酸薬の4種類の薬剤を用いて治療を行います。特に胃酸分泌薬は治療には効果的で、約8週間使用して経過を見ます。併せて食生活や姿勢の見直しなど日常生活を見直して様子を見ます。

それでも改善されないあるいは、手術をしないと他の合併症などを罹患する可能性がある場合や手術を強くすすめられる状況にある場合には手術が検討されます。
そのため、まずは医療機関を受診し自分にはどの治療があっているのかを相談してみると良いでしょう。

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