誰もが発症する可能性のある病・糖尿病

2017/1/18

糖尿病はよく耳にする病気です。
でも、「贅沢病でしょ?」「痩せてるから大丈夫」「まあ自分には関係ない」と思ったりしないでください。
大人の病気というわけではなく、生活習慣の変化から、糖尿病の子供も増加しています。
国民の約5人に1人は、“なるかもしれない”予備軍とも言われる、ほんとうに身近な病気なのです。

しかも、一度なってしまえば、完治は難しく、一生つきあうことになるのが糖尿病の怖さです。
しかし、「予備軍」の段階なら、まだ間に合います。

だから、今回は、治療というよりも予防により焦点を当て、糖尿病にならないためのヒントを提供していきます。

糖尿病予防の最高の医師は、自分自身です。ただしい知識を手に入れ、生活習慣を見直し、健康的な自分へ導きましょう。

糖尿病って?

専門用語は極力使わず、わかりやすく簡単に説明します。炭水化物(ご飯・パン・麺類)から取り入れたエネルギーを体がうまく消費できないことです。ブドウ糖だとか、血糖値だとか、インシュリンだとか、1型糖尿病、2型糖尿病などに関しては、別のページで詳しく説明します。

どんな人が危険?

糖尿病は、だれにでも発症の危険があります。なかでも、以下に挙げる項目に何個もあてはまる人は、気をつけなければいけません。
・太っている
・若い頃は痩せていたが、肥満になった
・健康診断で血糖値が高いと言われた
・家系に糖尿病患者がいる
・のどが渇きやすい
・運動しない
・頻尿
・食べているのに急激に体重が落ちた
・やたら疲れやすい
・足が冷える
・揚げ物や甘いものが好き
・野菜を食べない
・早食い
・よく飲酒する
・喫煙する
・生活が不規則
・血圧が高い
・立ちくらみがある

どんな症状がありますか?

糖尿病になると、以下のような症状が出ます。
・のどがしきりに渇く
・頻尿
・なかなか消えない尿の泡
・全身の倦怠感
・目がかすむ
・食べているのに痩せる
・手足のしびれ
・手足の冷え
・立ちくらみ
・性欲の減退
・月経異常
・尿から糖が出る

糖尿病は、激しい痛みに襲われたりするわけではないので、なかなか自覚できないですし、なる可能性があると言われてもなかなかピンと来ず、「自分は大丈夫」とそのまま放置してしまうことが多くなります。
しかし、この「放置」によって、糖尿病は、最も深刻にして最悪の事態、恐ろしい合併症へと発展していくのです。

恐ろしい糖尿病の合併症

糖尿病の一番の問題は合併症を引き起こすことです。糖尿病よりずっと深刻な事態になります。合併症としては、

・人工透析が必要になる腎臓障害(糖尿病性腎症)
・失明(糖尿病網膜症)
・壊疽による切断(糖尿病性神経障害)

が挙げられます。健康診断で血糖値が高い、治療が必要と言われたら、治療を受けてください。上にあるような症状が心配であれば、一度医師の診察を受けてください。早期の取り組みが何より大事です。

糖尿病の原因

膵臓の異常で体内のインシュリンの量が不足して起こる1型糖尿病。1型糖尿病の原因は、遺伝に拠る部分が大きいと言われていますが、未だはっきりとは解明されていません。
2型糖尿病は、インシュリン不足、または、体内がブドウ糖を吸収できないために起こる糖尿病で、生活習慣と関連している部分が多く、日本の糖尿病者のほとんどは、2型に当てはまります。主な原因として、内臓脂肪の蓄積、肥満、遺伝、ストレス、加齢などが原因として挙げられます。

糖尿病になる要因
・栄養過多
・運動不足
・肥満
・内臓脂肪
・脂肪肝

糖尿病にならないための生活習慣・糖尿病には食事が大切

食事をして、炭水化物を摂取すると、血糖に変わります。血糖はインシュリンでコントロールしたり、筋肉で消費したり、脂肪に蓄積したり、肝臓で保管・放出したりして、体内で調整されます。

しかし、食べ過ぎ、運動不足で、このほんとうによくできている人間の体内の血糖コントロールのメカニズムは、簡単に崩壊してしまいます。

そして、崩れた血糖コントロールのメカニズムは、過食と運動で加速します。食べるものは、糖尿病の根本である血糖に密接に関連しています。適切な食品を選ぶことで、血糖値は抑えることができるのです。

糖尿病になったら特別な食事をしなければなりませんか?

糖尿病を予防する食事習慣とは、第一に、腹八分目を心がけ、食べ過ぎないことです。そして、栄養バランスの取れた食事をすることです。
糖尿病になったしまうと、医師や栄養士の指導のもと、厳しい食事療法を強いられるはめになります。

・この種類の食べ物を食べる
・このくらい食べる
・調味料は○グラム以下
・炭水化物40%~60%、タンパク質20%、脂肪30%以下にするように

くらいはましなほうで、メニューも限定されるし、多大な手間暇がかかります。男性の場合、その面倒さ、煩雑さは、奥さんを悩ませ、痴話喧嘩の原因になりかねません。まして、独身なら、その苦労は妻帯者の比ではありません。

そうならないためにも、食事に気をつけましょう。以下に、気をつけるべきポイントを挙げます。

野菜を食べる

野菜は体にいいだけでなく、特に緑黄色野菜の摂取量を増やせば、糖尿病のリスクを軽減できます。厚生労働省の1日の推奨量は、緑黄色野菜120g以上になっています。

食物繊維を摂る

「食物繊維○グラム!」が商品のセールスポイントとして、宣伝されているのをよく見かける食物繊維。コレステロールを代謝する「胆汁酸」を体内でつくることによって、肥満、高コレステロール、高血圧などの予防になる体にうれしい成分です。ごぼうやこんにゃく、もずくなど食物繊維を含む食材を日頃から食べることで、糖尿病の予防になります。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べれば、過食が防げます。30回噛むことを心がけてください。「無理!」という方は、できるだけ噛むようにしてください。
また、野菜から先に食べるのも、満腹感を高めるとともに、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。早食いは、急激に血糖値が上昇させてしまいます。

そのほかにも、
・ご飯をたくさん食べてしまいがちになる濃い味より薄味にする
・炭水化物は血糖値を上げやすく、脂肪は血糖値を下げにくくするので摂取し過ぎない
・お酒は食欲を増進させるので注意する
・朝食を食べないと、昼食時に血糖値が上がる

などが挙げられ、

また、大学や厚生労働省の最近の研究の結果として、
・白米より、玄米などの全粒穀物は、2型糖尿病の発症リスクが低い
・チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールは糖尿病のリスクを低くする
・もずくや海草の成分フコイダンは、血糖値の上昇を抑える
・コーヒーに含まれるクロロゲン酸には血糖値を改善する効果がある
・大麦には、食後の血糖値を抑える働きがある
・ミカンに含まれる色素は、糖尿病の発症リスクを軽減させる
・ビタミンDとカルシウムの摂取で、糖尿病を予防する可能性がある
・精製していない豆や海藻に含まれているマグネシウムは糖尿病になりにくくする
・亜鉛やタウリンにはインシュリンを活発にする働きがある
といったことが発表されています。

糖尿病と運動

糖尿病の予防において食生活と双璧を成すのが、運動です。糖尿病の予防に体を動かす運動はかかせません。なぜ大事なのかといえば、運動してしないと筋肉の量が減少し、新陳代謝が下がり、肥満につながります。

そして、体重が少なく痩せていても、内臓脂肪の多い体になります。この状態が「隠れ肥満」です。隠れ肥満も、代謝が減るため、さらに内臓に脂肪がついていきます。

運動をすることで体についた脂肪が減り、筋肉がつくことで代謝があがり、太りにくくなります。食生活の変化に運動を取り入れることで、糖尿病の予防効果は格段に上がります。また、糖尿病だけに限らず、心臓病のリスクを低下させ、気分も良くすることで、健康状態の全体的な改善に役立ちます。

どんな運動をすればいいですか?

運動が糖尿病の予防になるといっても、いきなりハードな運動ができるはずもないし、続かなかったり、挫折する結果に終わってしまいます。運動は口にするのは簡単ですが、なかなか実践が難しいものです。
他の病気を抱えているかどうかによって変わってくる部分がありますが、多くの医師は、より深く呼吸し、心臓の働きをより強くする有酸素運動を推奨しています。有酸素運動の例としては、

・ウォーキング
・ジョギング
・エアロビクス
・サイクリング

などがあります。足や足の神経に問題がある場合、医師は足に過度の負担をかけることのないような運動を推奨するでしょう。

・水泳
・水中歩行
・サイクリングマシン
・ボート漕ぎのマシン
などがあります。

どのような運動をするにしても、始める前にウォーミングアップをしておきましょう。まず、ウォーキングなどの軽い運動を5〜10分行い、その後で、さらに5〜10分軽くストレッチをします。運動後も、これらの手順を繰り返してクールダウンします。

運動は、最初は無理のない範囲で行ってください。慣れてきたら、トレーニングの強度と時間を徐々に増やしていきます。個々の具体的なアドバイスについては、医師や専門家、スポーツクラブのトレーナーに相談してください。

運動中に水分は取ったほうがいいですか?

運動しているとき、体は体温を下げるために多くの水分を使います。喉が渇いていると感じる頃には、すでに脱水しているかもしれません。 脱水は、血糖値に影響をあたえます。 運動前、運動中、運動後に多量の水分を摂取してください。もちろん、炭酸飲料や糖分の多いジュースはNGです。

糖尿病患者が運動する上でリスクはありますか?

リスクはゼロとはいえませんが、微々たるもので、メリットのほうがはるかに大きいです。

リスクとしては、定期的な運動によって、体がインスリンに敏感になることでインスリンへの反応が変わり、運動後に血糖値が低くなる(低血糖と呼ばれる)ことがあります。
運動の前後に血糖値を確認したほうがいいでしょう。医師は、運動前後の正常な範囲内の血糖値を教えてくれます。

運動前の血糖値が低すぎたり高すぎたりする場合は、その数値が改善するまで運動するのは待ってください。また、極端に暑いまたは寒い状況で運動する場合、体がインスリンを吸収する方法が変化するので、血糖値を確認することが重要です。

おわりに

3分程度体を動かすだけでも、糖尿病の予防に効果があります。筋肉を動かせば、筋肉の中にある酵素が活性化し、糖や脂肪をエネルギーに変えてくれるのです。
脂肪を燃やす効果のある有酸素運動は、長時間行わなければ、効果はないとされていますが、こまめに短時間行うだけでも脂肪を軽減させる効果があるということが最近の研究で明らかになっています。
どんな運動であっても、筋肉が刺激されるので、効果があるようです。ウェートトレーニングでは、大きい筋肉である大胸筋や大腿筋を鍛えると、よりいいようです。
最後に、食後一時間以内が運動や入浴のベストタイム。血糖値の抑制に役立ちます。

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