うちの子もそろそろオトナに?生理のことをきちんと話そう

2017/2/6

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

ほとんどの女の子は12歳前後に初潮を迎えます。この年代の子はちょうど思春期が始まったころで、ちょっとした変化にうろたえたり、不安になったりすることも多いです。初潮を迎える前に子どもに初潮のことを話しておくと安心です。

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どのように話せばよいのか

お子さんに初潮のことを話すときは、かしこまってきちんと話すのではなく、不安を和らげるためにリラックスした雰囲気で少しずつ継続的に話すことを勧めています。
生理用品のCMを見たり、スーパーやドラッグストアの生理用品コーナーを通ったときにさりげなく種類や使い方を説明してみるのもよいかもしれません。その場で購入して持たせておくと、学校や塾など、親がそばにいないところで初潮を迎えてしまったときも慌てずに済むと思います。

説明する際、不快感はあるかもしれませんが、できる限り「膣」「子宮」といった明確な言葉を使って説明し、お子さんが具体的にどこを指しているのかがイメージしやすいように伝えてください。そして、初潮はすべての女性が成長するにつれて必ず迎えるもので、病気でもなんでもないことを強調してください。

また、女の子だけが初潮のことを知っていればよいというわけではありません。男の子も生理について学ぶ必要があります。女の子に話したときと同じように、生理とともに起きる感情の起伏や、初潮を迎える生物学的な理由を伝えてください。それを知っておけば、女性が毎月経験していることを理解でき、将来パートナーができたり結婚したりしたときに、サポートしやすくなります。

なお、初潮が始まったということは、もう妊娠できる、ということでもあります。ですから、妊娠と避妊のことも伝えておくことが重要です。

想定される質問

お子さんに初潮のことを説明するとき、いろんな質問をされると思います。どんな質問がありそうかをあらかじめ知っておくと落ち着いて答えられますし、もし予想外のことを質問されたとしても、慌てなくて済むと思います。

初潮は何歳ごろに来ますか?

初潮は10歳から16歳の間に迎える場合が多いです。平均では、だいたい12歳頃に初潮を迎えることが多いのですが、もし16歳になっても初潮が来ないようでしたら、医師に相談してください。
考えられる原因として、体重不足や運動のしすぎ(ダンス、体操、陸上競技など)、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。

初潮が来るかも、というシグナルはありますか?

初潮を迎えるシグナルとして、わきの下の体毛や陰毛が伸びてくるといったことがあると言われています。だいたい、胸が成長し始めて約2年後、白いおりものが出るようになってから約1年後に始まることが多いようです。

生理はどうやって始まりますか?

突然大量の血液が流れ出るわけではありません。お手洗いに入ったときや、朝起きてすぐのとき、下着やシーツに赤茶色のしみのようなものを見つけることで気づきます。また、生理の前や生理中に下腹部に痛み(生理痛)を感じることもあります。

生理はどれくらい続きますか?

基本的に、生理は28日~30日周期でおとずれ、始まると3日~7日間続きます。ただし、体が生理周期のリズムを作るまで数ヵ月かかることがあるので、初潮はそれほど長く続かないかもしれません。

生理でどのくらいの血液を失いますか?

大量に失っていると思うかもしれませんが、実際は大さじ約3~5杯くらいしかありません。

血液がしみ出ることはありますか?

大量に血液が出てしまったり、お手洗いに行くタイミングを逃したりしたとき、血液がにじみ出て洋服にしみ出てしまうことがあります(生理中の女性なら誰にでも起こりうることです)。
生理中は薄い色のスカートやパンツをはくのを避け、万が一にじみ出ても気づかれないようにしましょう。また、すぐに洋服を着替えられる状況でないときは、ウエストにシャツやカーディガンを巻いてしみを隠しましょう。

生理用品はどんなものを使えばいいですか?

ナプキンやタンポンといった生理用品はどれも安全で、生理が始まったばかりの女の子にも扱いやすいです。
ただ、タンポンは慣れるまでに少し時間がかかりますし、タンポンをはずさないまま長時間過ごしてしまうと自分で取り出せなくなってしまう可能性があるので、最初はナプキンを使うことをお勧めします。自分に合う製品を見つけるまで、いろいろ試してみるよう勧めてください。

おわりに

初潮を迎えたとき、お子さんは突然の変化に驚き、戸惑うことでしょう。そんなとき、女性の先輩であるお母さんがやさしくサポートし、適切にアドバイスしてあげれば、不安な日々を前向きに過ごせると思います。
また、体の変化を通してお子さんとコミュニケーションをとることは、思春期の話しづらい時期を乗り越えるきっかけにつながるかもしれません。一緒に不安な時期を乗り越えて、親子の絆を深めましょう。

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