インフルエンザより怖い、赤ちゃんのヒブ感染症

2017/4/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ヘモフィルスインフルエンザ菌b型・・・インフルエンザという名がついているけれど、実はインフルエンザよりも怖い子どもの感染症です。ヘモフィルスインフルエンザ菌b型によって起こるHib(ヒブ)感染症は5歳未満の子どもで発生し、特に2歳未満の赤ちゃんがかかると重症化します。ここでは、インフルエンザとはちがうヒブ感染症について解説します。

ウイルスで起こるインフルエンザ

まず、普通のインフルエンザについておさらいしてみましょう。インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる季節性の感染症です。その症状は風邪と似ていますが、より重症化します。

インフルエンザは、その原因となるウイルスに対して抗生物質は効果がありませんが、アセトアミノフェンなどの市販の鎮痛薬でも頭痛、筋肉痛およびのどの痛みを和らげ、解熱効果があります。ほとんどの場合、風邪と同じようにからだを休め、たくさん水分をとっていれば症状は軽減されます。

ただし、以下のような症状がみられた場合は、医師の診察を受け、適切な治療を受けなければなりません。
・高熱(38.5度以上)、または3日以上続く発熱
・10日以上続く症状
・呼吸困難、速い呼吸または喘鳴
・青みがかった肌の色
・耳の痛みまたは耳からの排液
・精神状態の変化(目覚めない、興奮状態またはけいれん発作など)
・インフルエンザ様症状が一旦改善したが、発熱とひどい咳が再発した
・慢性の病気(糖尿病または心臓病など)の悪化
・嘔吐または腹痛

ヘモフィルスインフルエンザ菌b型で起こるヒブ感染症

ヒブ感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌によって起こります。感染すると肺炎、髄膜炎や敗血症、化膿性関節炎などを起こし、その3~6%は重症化して死に至るとされています。特に2歳未満の赤ちゃんが髄膜炎を起こすと、その20%は難聴などの後遺症が残る可能性が高まります。

ヒブワクチンの予防接種

ヒブワクチンは、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)に対する赤ちゃんの免疫力を増強します。

世界各国でさまざまなヒブワクチンが使われていますが、日本で使用されているヒブワクチンは、乾燥ヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)です。ヒブワクチンの予防接種により、ヒブ感染症のリスクを95%以上減らすことができるといわれています。

ヒブワクチンの接種方法

初回接種は、生後2~7カ月のあいだに27~56日の間隔をあけて3回接種します。追加接種は、初回接種終了後7~13カ月後に1回接種します。

ヒブワクチンの定期接種は、各市町村が実地主体となっていますので接種については、お住まいの都道府県の予防接種課にお問い合わせください。

おわりに:赤ちゃんを守るヒブワクチン

2歳未満の赤ちゃんが感染すると重篤となるヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)、同じインフルエンザという名前がついていても、ウイルスと細菌ではずいぶんちがうものです。

厚生労働省では、現在の3種混合ワクチンにHibを加えた4種混合ワクチンの開発を検討しています。

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