記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/4/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
赤ちゃんにとって予防接種は、妊娠中でも生まれてからでも大事なことです。妊娠中は、赤ちゃんを守るためにお母さんが受けます。ここでは、予防接種がどのように赤ちゃんを守ってくれるのか、そして出生した赤ちゃんが受けるべき予防接種についてお話しします。
妊娠中(あるいは授乳中)のインフルエンザ予防接種は、いまや必須といっても過言ではないでしょう。これまで数多くの妊婦がインフルエンザ予防接種を受けてきましたが、お母さんとその赤ちゃんに影響を及ぼした例はほとんどありません。
妊娠中にインフルエンザに感染すると、肺炎をはじめとする深刻な合併症を起こすリスクが高く、妊娠していないとき感染するよりも危険性が高いとされています。
予防接種はインフルエンザに100%かからないというわけではありませんが、予防接種を受けることで季節性インフルエンザの感染確率を格段に下げることができ、万が一感染しても症状を軽減させることができます。
また、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種した女性の赤ちゃんは、接種していない女性の赤ちゃんよりも生後インフルエンザウイルスに感染する確率が低く、生後6カ月くらいまで続くということもわかっています。
さらに早産となる確率も低く、生後1年間のうちに万が一インフルエンザに感染しても、その症状や合併症を併発する確率も低いともされています。
妊婦用インフルエンザワクチンは、1回接種です。接種には「母子健康手帳」の提示が必要です。
保存剤を使用したバイアル製剤と保存剤の入っていないプレフィルドシリンジ製剤の2種類があります。
バイアル製剤は、内科、小児科、産科で受けることができますが、プレフィルドシリンジ製剤は、妊娠中の女性を優先させるため産科(産婦人科)で接種可能です。プレフィルドシリンジ製剤を希望する場合は、お近くの産科または内科医院に相談しましょう。
こうして9カ月のあいだお母さんのおなかの中で守られてきた赤ちゃんですが、お母さんのおなかから出れば当然のようにいろいろなウイルスの攻撃を受けることになります。
そこで、こんどは赤ちゃん自身も予防接種をうけることになります。赤ちゃんの予防接種は、定期接種と任意接種の2種類が定められています。住んでいる地域の予防接種課からの通知を見逃さないようにしましょう。また、予防接種についてわからないことがあれば、なんでもかかりつけの小児科医に聞きましょう。
予防接種法で定められている予防接種は、以下のものがあります。
原則的に受けたほうがよいとされるもので、例えば以下のものがあります。対象年齢のうちであれば無料で受けられます。
・ポリオ
・BCG
・三種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)
・麻疹(はしか)
・風疹(三日ばしか)
・日本脳炎
・二種混合(ジフテリア、破傷風)
・Hib
希望によって受けるものです。
・おたふくかぜ
・水痘
・インフルエンザ
妊娠中にインフルエンザ予防接種を受けることは、単に安全性が高まるだけでなく、赤ちゃんにとってもメリットがあります。大切な授かりものをウイルスの脅威から守るために、できることはしてあげたいですね。