突然お尻の奥に激痛が!これって直腸や肛門の病気なの?

2018/12/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

突然、お尻の奥のほうに激痛が走ると、何か重大な病気になっているんじゃないか…と不安になりますよね。この急な痛みに、原因や治療法はあるのでしょうか。

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突然お尻の奥のほうに痛みが!これってなに?

突然、お尻の奥が痛くなったものの原因がはっきりわからない。こうした症状を「無症候性肛門痛」といいます。その中でも「消散性直腸肛門痛」と呼ばれるものは、肛門の奥の直腸あたりに突然痛みがあらわれ、突然消えてしまう病気です。痛みが出るタイミングに規則性はありませんが、夜間に痛みだすことが比較的多いといわれています。痛みは数十秒から十数分続きますが、いつの間にか消えて楽になるようです。

痛み方は、「お尻の奥から突き上げられるような痛み」や「締め付けるられるような痛み」などと表現されますが、患者さんによって感じ方は異なります。しかし、どれも耐えがたい強い痛みのため、夜中にこの痛みで目を覚ましてしまうこともあるようです。

急激なお尻の痛み、原因は?

無症候性肛門痛は、いまだに原因が明らかになっておらず、さまざまな説が唱えられています。たとえば、「直腸肛門の痙攣」「肛門拳筋(肛門を持ち上げるように包み込んでいる筋肉)のけいれんや肥厚」「脊髄の刺激」といったものです。また、「心因的なもの」が原因とする説もあります。

初めは痔疾患や直腸の疾患を疑い、さまざまな検査をしてはみるものの、体からは特に異常が発見されないため、患者も医師も対応しづらい病気なのです。

お尻の奥の方の痛みはどうすれば治るの?

無症候性肛門痛は、原因も明らかにされていない以上、治療法もまだ確立されていません。現状では、痛みを一時的に緩和するための鎮痛剤や、痔疾患用の座薬が用いられることがあるようです。鎮痛剤や副腎皮質ホルモン剤を加えた注射で、仙骨・陰部神経をブロックする、といった治療をすることもあります。

ほかにも、痛む個所を中心に肛門マッサージをしたり、温めたりすることで症状が楽になることもあります。ゆっくりと湯船につかったり、おしりのあたりを湯たんぽなどで温めたりするのもよいでしょう。お尻をリラックスさせてあげることで、緩んだように楽になることもあります。

また、食生活の改善や運動不足の解消、ストレスの原因を取り除くなどの、生活改善によるアプローチや心理的アプローチが有効な場合も報告されています。

痛みに耐える時間はつらく、不安になると思います。しかし、精密検査で臓器などに異常がなかった場合、命に関わる病気ではないので深刻に悩みすぎない方がよいかもしれません。不安になりすぎることが新たなストレスを生み出してしてしまいます

おわりに:原因も治療法も確立していない病気「消散性直腸肛門痛」の可能性がある

「消散性直腸肛門痛」は、肛門の奥の直腸あたりに、突然強い痛みがあらわれ突然消えてしまう病気です。夜間に痛みだすことが比較的多いとされていますが、特に規則性はなく、痛みは数十秒から十数分続いていつの間にか消えます。この病気はまだ原因が特定されておらず、治療法も確立されていません。そのため、マッサージをしたり温めたりすることによる痛みの緩和、鎮痛作用のある薬や注射などの処置がとられます。ストレスが原因ともいわれているので、精密検査などで身体に異常がなければ、考えすぎないことが大切です。

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