肺の構造ってどんなふうになっているの?

2019/1/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

私たちが鼻や口から吸いこんだ空気から、体に必要な酸素を取り込んで全身に行き渡らせ、不要な二酸化炭素を排出して呼吸を行う肺は、人間が生きる上で欠かせない臓器です。
今回は肺の構造や働きについて、肺の機能を調べるための検査方法と一緒に解説します。

肺ってどんな構造になっているの?

肺は心臓を挟むように、胸の両側に2つずつある呼吸器官です。

構造としては、喉から降りてきた気道が左右に分かれた先に1つずつの肺があり、それぞれの肺は肺胞嚢(はいほうのう)という小さな袋のような組織の集合体となっています。

肺胞嚢は、気管から左右に細かく伸びてきた細気管支(さいきかんし)・肺胞道(はいほうどう)という管の先にあり、そのなかには小さな肺胞(はいほう)という風船がたくさん詰まっています。

肺を構成する肺胞嚢、細気管支、肺胞道、肺胞の詳細については、以下の通りです。

肺胞嚢
肺胞をいくつかまとめて収納しておくための、袋のようなもの。肺胞道とつながり、中に収納している肺胞を支えている。
細気管支
喉から胸までつながっている気道から、左右の肺に細かく枝分かれしながら伸びている空気の通り道のこと。気道と肺胞道をつないでいる。
肺胞道
気道から細気管支を通ってきた空気を、さらに細く枝分かれして1つ1つの肺胞に送り届ける役割を担う。
肺胞
鼻や口から吸い込まれた空気から、実際に酸素や二酸化炭素の取り込みなどを行う小さな袋のようなもの。1つの肺胞嚢のなかにいくつも格納されている。
肺胞1つあたりは直径0.3mmほどだが、左右両方の肺にある約3億個すべての肺胞を広げると70㎡にもなる。

呼吸しているとき、肺はどんなふうに動いているの?

鼻や口から空気を吸い込むと、その空気は気道・細気管支・肺胞道を通って、肺胞嚢内の1つ1つの肺胞に送り届けられます。
すると、肺胞内で濃度の高低で物質が移動する拡散という現象が起こり、肺胞内の空気から肺胞を流れる動脈の血液に酸素が吸収され、全身に運ばれていきます。

同時に、肺胞内には肺胞を流れる静脈の血管から二酸化炭素が取り込まれて呼気となり、肺胞が収縮することで再び気道を通り、吐き出されていくのです。
呼吸は、肺のなかの肺胞での酸素と二酸化炭素の移動により、成り立っていることがわかりますね。

肺の働きを調べるには?

慢性的な息苦しさや止まらない咳、息を吸うと胸が痛いなどの症状を感じていて、肺の機能低下が疑われる場合は、肺機能検査を受ければ肺の状態を調べられます。

肺機能検査とは、スパイロメータや精密肺機能検査用機械などを使い、検査技師の指示のもとでマウスピースを通して呼吸することで、肺機能を調べられる検査方法です。

検査でわかる肺機能に関する項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 肺がゆっくりどのくらいの空気を吸い込み、また吐き出せるかを表す「肺活量」
  • 勢いよく呼吸したときに、肺がどのくらいの空気を扱えるかを示す「努力肺活量」
  • 努力肺活量のうち、最初の1秒間に吐くことのできる空気量を表す「1秒量」
  • 努力肺活量に対する1秒率の割合を示す「1秒率」
  • 呼吸によりどのくらいの酸素を体内に取り込めるかを示す「肺拡散能」

上記の項目を総合的に見て、年齢・性別・体格・病歴などを鑑み、正常値にどのくらい近づいているかの検査結果から、肺機能を測定します。

おわりに:肺はたくさんの肺胞・肺胞嚢の集合体である!

口や鼻から吸い込まれた空気は、気道・気管支を通って心臓の左右に位置する肺に運ばれ、さらには胃内部で細気管支・肺胞道を通って肺胞嚢内の肺胞に届けられます。
1つ1つの肺胞のなかでは、その内壁から酸素は動脈血管へ取り込まれ、静脈血管から二酸化炭素が肺胞側へと送り出されます。そして肺胞が収縮して二酸化炭素を呼気として吐き出すことで、呼吸が成立するのです。複雑でわかりにくいですが、知識としてきちんと理解しておきましょう。

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