記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/1/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ノロウイルスなどに感染し胃腸炎を発症すると、家族内で感染が広がり、子どもも大人も家族全員がダウンしてしまうこともあります。このような「冬の胃腸炎」に感染したとき、仕事や保育園、学校にはいつから復帰できるのでしょうか。この記事では、冬の胃腸炎などで下痢症状が続く期間の目安と症状の特徴、仕事や学校への復帰やお休みの目安ついて解説します。
冬に増える胃腸炎の多くは「感染性胃腸炎」と呼ばれるもので、ノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどによって引き起こされる感染症です。症状の出方や症状が続く期間は、胃腸炎の原因となる細菌・ウイルスによって異なりますが、一般的には1~3日の潜伏期間を経て発症します。
例として、冬季に流行しやすいノロウイルス、ロタウイルスが原因の感染性胃腸炎の症状やその持続期間などについて、以下にまとめましたので参考にしてください。
ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎は、学校保健安全法が定める「出席停止対象疾患」には定められていません。このため、ノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎を発症しても、学校への出席や会社への出勤を停止すべきとは限らず、その判断は各学校・会社にゆだねられています。しかし一方で、学校保健安全法では胃腸炎にかかった場合の復学時期の目安について「主な症状がほぼなくなり、医師が登園可能と認めるまで」とする考えを示しています。
このことから、ノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎からの復学・復職時期も、この基準に基づき「医師の許可が出てから」と考えておけばよいでしょう。なお、前述したとおり、症状が治まった後も数週間は、ウイルスを保有し排出し続けている可能性があります。自己判断で「症状がなくなったから」と復学・復職すると周囲に迷惑をかける可能性がありますので、必ず医師の判断でタイミングを決めるようにしてください。
ただし大人の場合、職業や勤務先の就業規則によって復帰のタイミングが異なってきます。とくに飲食店勤務など特定の職種の場合は、感染性胃腸炎になると欠勤義務が発生することもありますので、詳しくは勤務先に確認しましょう。
感染性胃腸炎による下痢や嘔吐の症状は早ければ3日以内、長くても1週間程度で収まりますが、その後も数週間はウイルスを排出する可能性があります。ウイルスの排出により、周囲に感染を拡げて迷惑をかけることもあるので、症状がなくなったことを理由に自己判断で復職・復学するのは危険です。必ず勤め先の就業規則や学校・園の意向、そして医師の判断・意見をもとに、タイミングを調整するようにしてください。
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