記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
10代になると、身体や心が大きく変化します。また、異性への興味が高まるとともに、セックスに対する興味も増すかもしれません。そのため、中には好奇心だけでセックスをしてしまったり、友達にあおられて無理やりセックスしてしまう高校生もいると言われています。そのことに問題はないのでしょうか。
男女とも、10代に入ると肉体的にも精神的にも大きく変化します。肉体的には体型が変わるだけでなく、男性は射精できますし、女性は月経(生理)が始まるので生殖能力が備わります。つまり、この時期になると、望むか望まないかに関係なく、セックスをすれば妊娠する可能性があるのです。
中学生や高校生は、セックスへの関心が高くなる時期でもあります。友達同士でセックスの話題で盛り上がったり、早く童貞もしくは処女を捨ててしまいたいと思うあまり暴走する可能性もあります。また、好奇心や友達のプレッシャーからセックスしてしまう人もいるかもしれません。
しかし、こうした興味や焦りから向こう見ずな行動をとってしまうとき、「セックスをすれば妊娠する」ということを忘れていることもあります。その結果、望まない妊娠をしてしまう可能性もあるのです。
高校生がセックスをして妊娠した場合、中絶か出産かという選択を迫られると思います。産まない選択をした場合は中絶手術を受けることになりますが、体にダメージを残す可能性がありますし、場合によっては将来再び妊娠できない可能性もあります。
一方、出産して育てる、という選択をする人もいるでしょう。その場合、両親や父親となる彼氏、彼氏の両親などの理解と協力を得ることが必要です。高校生は経済力も人間関係も未熟なので、誰かに助けてもらわないと子育ては難しいと思います。誰からの協力も得られなかったら自分で育てる!と思うかもしれません。でも、子育てに必要な環境もそろわない中で出産・育児をすることは、本人にも赤ちゃんにとってもリスクが大きいです。そして、このリスクは妊娠した女子だけでなく、相手の男子も当然負うものです。
「みんなもやっているから」とか、「友達にあおられたから」といった理由で、安易にセックスをするべきではありません。セックスにはリスクもあります。自分の意思をしっかり持ち、選択できる勇気をもつことが大切です。