妊娠中の不安に押しつぶされないようにするには

2017/4/21 記事改定日: 2019/9/18
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

これから胸に抱く赤ちゃんに期待がふくらむ一方で、妊娠中はちょっとした事に過敏になり、すぐに不安に襲われます。妊娠中は、絶えず心配事が多くなり、不安を抱える毎日になりがち。今回は、そんな妊娠中の不安についてお話しします。

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妊娠中に感じる不安とは?

妊娠中はさまざまな不安に襲われます。お腹の赤ちゃんは無事に生まれてくるかしら、お産の痛みってどんな感じだろう、無事に生まれたとして、ちゃんと育てられるかしら…など妊婦さんの不安は尽きることがありません。

妊娠中に限らず、人生のあらゆる場面で不安を抱きますが、妊娠すると普段感じる以上に不安になりやすいものです。妊娠中は赤ちゃんの健康のこと、良い親になれるのか、配偶者との関係は出産前と変わらずに過ごせるか、子育てに関わる費用がどのくらいかなど、自分のことだけでなく、赤ちゃんやまわりの人との人間関係、お金など、あらゆることが不安や心配の種になってしまうからです。

不安解消のためにできることは?

出産すれば不安は消える、と思うかもしれません。しかし、研究によると、妊娠中の不安がケアされていない人は、出産後に重度のうつ病を起こす可能性が高いことが明らかになっています。出産後はホルモンの急激な変化に加え、睡眠時間が短くなる状況に対応しなければならないため、産後うつ病(PPD)を発症することがあるのです。

産後うつ病(PPD)とは
産後うつ病は、出産を終えた女性の5~25%にみられると言われています。主な症状として、涙もろくなったり、イライラしたり、睡眠不足といったものが挙げられます。こうした不調が続くのは2、3週間ぐらいなのですが、産後うつの方の場合数カ月続いたり、中には1年以上続く方もいます。

不安に対処するいちばんの対処法は、我慢することではなく、助けを求めることです。出産前の不安で日常生活に集中できないときは、できるだけ早く医師に相談しましょう。赤ちゃんが産まれる前に不安をコントロールする方法を学んでおくと、赤ちゃんと過ごす最初の数カ月間が苦痛でなくなります。

また、以下のようなことを心がけるのも不安解消につながります。

  • たっぷり睡眠をとる
  • 新鮮な食べ物を食べる
  • 運動する
  • 出産や子育てについて学んでみる
  • 妊娠中の母親同士で話をする
  • リラックスする時間をつくる
  • 瞑想する
  • マタニティヨガを試してみる

おわりに:妊娠中の不安は抱え込まずに、医師やカウンセラー、身近な人に相談を

  • 妊娠中は、自分や赤ちゃんの体調はもちろん、無事に出産できるか、ちゃんと子育てできるだろうか…と不安になりがち
  • 日常生活に影響が出るほど不安が大きくなってしまうと、出産後に重いうつ病を引き起こす恐れがある
  • たいしたことないと軽く考えずに、医師やカウンセラー、または身近な人に相談して不安を少しでもやわらげることで、産後うつを予防できる

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