心臓弁膜症が疑われるとき、どんな検査を受けるの?

2019/2/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心臓には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。この弁の調子が悪くなった状態のことを心臓弁膜症といいます。この記事では、心臓弁膜症かどうかを診断するためにどんな検査を受けるのかを紹介します。

心臓弁膜症になるとどんな症状が出てくるの?

心臓は全身に血液を循環させるためのポンプの役割を果たしています。心臓には、血液が一方向に流れて逆流しないようにするための心臓弁があります。この心臓弁の働きが悪くなった状態を心臓弁膜症といいます。

心臓弁は、ドアのように開いたり閉じたりしながら血液が逆流しないようにしています。心臓弁が開きにくくなって血液が通りにくくなった状態を「狭窄(きょうさく)症」心臓弁が閉じづらくなって血液が逆流してしまう状態を「閉鎖不全症」といいます。

軽度の場合は自覚症状としてあらわれないこともありますが、心臓弁膜症の主な症状として次のようなものがあります。

  • 疲れやすい
  • だるい
  • 息切れ
  • 動悸
  • 胸痛
  • むくみ
  • めまい
  • 失神

以上のような症状が気になるときは、循環器内科を受診してみるとよいでしょう。

心臓弁膜症かどうかを調べる検査にはどんなものがあるの?

心臓弁膜症かどうかを調べるためには、まずは、体への負担が小さく、短時間で行える一般検査を行うことから始まります。

心電図検査

両手足と胸に電極をつけて行う検査で、短時間で終わります。心臓の動きが波形として記録紙に記録されます。不整脈、心筋梗塞、狭心症など、心臓に異常がある場合は、波形に異常がみられます。

超音波検査

痛みがなく、比較的短時間で行うことができる検査です。皮膚に検査用ゼリーを塗り、超音波を発する機会をあてることで内蔵の形や動きが画像として確認できます。心臓の大きさや形、動きや、心臓の壁の厚みまで確認します。

胸部X線検査

レントゲンで心臓の形、大きさが確認できます。

BNP検査

BNPは、心臓に負担がかかると合成されて分泌されるホルモンです。BNP検査は、血液中のBNP濃度を測定することで心不全の重症度を確認します。心不全とは、心臓に何らかの異常があり、血液が十分に送り出せなくなっている状態をいいます。

心臓弁膜症とわかったときに受ける検査は?

心臓弁膜症が疑われたときには、さらに詳しく調べるために次のような検査を行います。

ホルター心電図検査

脈の異常が一時的なものなのか、頻繁に起こっているのかを確認します。コンパクトな記録装置で24時間心電図を記録する検査です。首掛けタイプや、ベルトに装着するタイプなどがあります。

経食道心臓超音波検査(心エコー検査)

超音波発信器が先端についた管を、胃カメラ検査と同じように口から入れます。食道側から心臓に超音波をあてることで心臓の状態を調べる検査です。通常の超音波検査より、心臓に近い位置で検査を行えるため、心臓の状態をより詳しく確認できます。心臓内の血栓の有無や、心臓弁の動きや形、心臓の血管や大動脈の形や大きさなどを確認します。胃カメラと同様に、のどの麻酔を行って実施します。

心臓カテーテル検査

足の付け根や、肘、手首といった大きな血管からカテーテルを入れて、造影剤というレントゲンに血管が映りやすくするための薬を注入します。その後レントゲン撮影をすることで、心臓の動きや、血液の流れ、血栓の有無などを確認する検査です。

心臓CT検査

造影剤を注入してX線撮影をする検査です。輪切りにした写真が撮影できるため、内蔵を立体的に確認することが可能です。造影剤はカテーテルではなく注射で挿入でき、体への負担も小さく短時間で行うことができます。心臓の血管や筋肉の状態だけではなく、大動脈や肺といった周辺器官を確認することもできます。

おわりに:検査を受けるのは早い方がいい。気になる症状があるときは念のため病院へ

心臓は全身に血液を循環させるポンプの役割をしています。心臓の異常は心電図や血液検査などの一般的な検査を行って、心臓の病気が疑われるときには、より詳しい検査を行うことになります。胸痛や息切れ、動悸などの症状は、心臓の病気の可能性がないとはいえません。特に自覚症状があるときには、循環器内科を受診してみましょう。

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