記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
漢方を処方されたとき、「『食間に服用してください』と言われたけれど、いったいいつ飲めばいいんだろう?」「市販の風邪薬や胃薬だったら水やお茶で飲んじゃうけど、漢方薬も同じように飲んでいいのかな?」と疑問に思ったことはありませんか?この記事では、漢方を飲むタイミングや服用時の飲み物など、漢方にまつわるギモンを解説します。
漢方を処方されたときに「食間に服用してください」と言われることが多いと思います。この「食間」というのはどの時間帯を指しているのでしょうか。
「食事の間だから食べている最中に飲めばいいのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、実は「食間」とは食事を摂ってから2~3時間後のことを指しています。たとえば、朝ご飯を6時に食べたなら、8時~9時に漢方を服用すればよい、ということになります。
風邪薬や胃薬といった、私たちになじみ深い薬では、食後すぐに飲むことが多かったと思います。うっかり飲み忘れてしまわないよう、スマートフォンや時計のアラーム機能を使ったり、リマインダーを設定したりするなど、忘れないための工夫をしてみてください。
漢方を飲むときは、水やお湯で飲むのがおすすめです。お茶やジュース、牛乳などで飲むと、漢方の成分が吸収されにくくなる可能性があるためです。時間がないときや、体を動かすのがつらいときは、つい手の届くところにある飲み物で薬を飲んでしまいがちですが、漢方の効果をしっかり吸収して、少しでも早く症状を改善するためにも、水やお湯で飲むようにしましょう。
ちなみに、漢方は薬そのものの成分だけでなく、味や香りも効果に影響を与えるといわれています。このため、漢方の効果をしっかり体に吸収できるかどうかという点で考えると、お湯で飲んだほうがよいと言われています。
特に、体の冷えを改善するために漢方を服用する場合や、高齢の方が服用する場合は、不用意に体を冷やさないよう、また、薬効を吸収しやすくなるよう、できるだけお湯で飲むようにしましょう。
なお、嘔吐や吐き気がある方や、吐血している方の場合は、お湯ではなくお水で飲んだほうがよいとされています。お湯かお水かで迷うときは、かかりつけの医師や薬剤師に尋ねてみてください。
医師から処方された漢方もしくは西洋の薬とともに、自分で買ってきた漢方薬を服用したい場合は、必ず飲む前にかかりつけの医師に相談してください。処方されている薬との飲み合わせによって、薬の効果が強くなりすぎて思わぬ副作用が出てしまうこともあり得るためです。
また、処方された漢方とともに、ハーブを使ったサプリメントや健康食品を摂る場合も、事前に医師・薬剤師に相談したほうが無難です。サプリメントや健康食品の中に漢方と似た成分が含まれている可能性がありますし、サプリメントが治療に影響を及ぼすことも十分考えられるためです。
漢方は副作用もなく、体にも安心と思ってしまいがちですが、漢方も薬なので思わぬ副作用が出てしまうことも十分考えられます。自己判断で併用したり、1回あたりの服用量を増やしたりせず、指示された用法・用量を守って体調を回復させましょう。
漢方は食間(最初の食事を摂ってから2、3時間後)に、お湯もしくはお水で服用するのが効果的です。お茶やジュースなどで飲んでしまわないよう気をつけましょう。また、処方された漢方薬に加えて、市販薬やサプリメントなども取り入れたい場合は、かならず事前に医師・薬剤師に相談してください。用法・用量を守って、1日でも早く体調を回復させましょう。
この記事の続きはこちら