脳出血の再発予防でできることってどんなこと?

2020/3/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

脳出血は血圧の管理がうまくいかないと再発リスクが高まるといわれています。それでは、血圧を下げるためには、どのようなことに取り組めばよいのでしょうか。この記事で解説したいと思います。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

脳出血は再発しやすい?

「脳出血」は、脳の血管が破れて出血し脳を破壊してしまう病気で、高血圧が原因であることがほとんどです。そして、脳出血が再発するのは、血圧の管理が不十分だったときが多いです。

治療は一般的に、軽症の場合や出血の少ない場合には血圧を下げて出血量が増えることを防止し、点滴により損傷した脳の腫れを抑えるなどの内科的治療が行われます。一方、重症の場合や出血の多い場合は、出血・血腫を取り除く外科的な手術が行われます。

高血圧治療の普及や生活習慣の改善により、現在は軽症化して死亡率は低下しています。ただし、手足のまひや意識障害などの後遺症が残り、介護が必要な状況となる可能性は依然として高いです。したがって、発症の予防はもちろん、発症後の適切な治療やリハビリ、再発の予防が重要です。最初の発症時に軽症で済んでも、定期的に継続的な治療や検査を受け、血圧管理をしっかり行いましょう。

脳出血の再発を防ぐには?

脳出血の再発予防には、血圧を下げることが欠かせません。基本的には診察室血圧で上(収縮期血圧)が140mmHg未満、下(拡張期血圧)が90mmHg未満を目標としながら、できるだけ上130mmHg未満、下80mmHg未満を目指します。ただし、降圧目標値は、個々の患者の状態をみながら柔軟に設定されます。

再発予防には、まずは毎日の家庭血圧の測定と処方された降圧薬などをきちんと服用することが大切です。また、これまでの生活習慣を見直すことも必要です。規則正しい生活をし、睡眠時間を十分にとって疲労を溜めないようにしましょう。また、ストレスとうまく付き合える方法を見つけてください。定期的に無理をしない程度に運動することも大切です。

水分を十分にとり、塩分・脂肪を控え、肉より野菜、果物をとるように心がけ、肥満の解消を心がけてカロリーを取り過ぎないようにしましょう。食べ過ぎやお酒の飲み過ぎに気をつけたり、タバコを吸っているなら禁煙してください。入浴はぬるめのお湯で短時間で済ませましょう。

再発予防のためにも、定期的な検査を受けよう

再発を予防するには、定期的に検査を受けることも大切です。脳の太い血管に問題があるならMRA検査(MRIと同様に磁気を利用した検査ですが、特に脳の血管描出に特化したものです)、頸の動脈に問題があるなら頸部超音波検査、心臓が悪ければ心電図や心臓のエコー検査を定期的に行います。血圧のほか、ほかの危険因子を管理するため糖尿病のある人なら血糖値など、脂質異常症のある人ならコレステロールや中性脂肪などの定期的な血液検査も必要です。

脳出血の再発予防だけでなく、生活習慣病を予防し健康的な生活スタイルを手に入れましょう。

おわりに:きちんとした血圧管理と服薬に加え、生活習慣の見直し、定期的な検査を!

再発予防には、まずは血圧の降圧が重要です。毎日血圧を測定し処方された降圧薬などをきちんと服用しながら、これまでの生活習慣を見直して健康管理に気を配るようにしましょう。また、他の危険因子の管理も含め、定期的な検査を受けることも大切です。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

高血圧(137) 脳出血(39) 脳の病気(2) 脳出血の再発(1)