脳出血のような症状がみられたとき、どう対処すればいいの?

2020/2/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳卒中のひとつである脳出血は、脳の中の細い血管が突然破れて出血する病気です。発症すると命に危険が及ぶため、適切に対処することが欠かせません。この記事では、脳出血の症状を紹介するとともに、周囲に発症した可能性がある人がみられた場合の対処法について解説します。

脳出血ってどんな病気?

脳出血は脳卒中の一種で、脳の中の細い血管が突然破れて出血する病気です。脳出血は脳卒中の中でも重大な後遺症を残しやすく、出血部位によっては命を落とす危険性もあります。脳出血を発症しやすい主な部位は、被殻と視床、皮質下、小脳、橋の5つです。発症した部位や出血量によって、症状は大きく変わるため治療方針も変わってきます。

脳出血の約70%は、高血圧性脳内出血といわれています。症状は日中の活動時にみられることが多く、頭痛や嘔吐、麻痺や意識障害、けいれんなどが出現し急激に進行していきます。脳出血と思わしき症状が見られた場合には、直ちに病院を受診することが大切です。

脳出血になるとみられる症状は?

脳出血の症状は、出血した場所や出血量によって違いがあります。発症時は突然頭痛が起きたり、吐き気や嘔吐、片麻痺やしびれ、ろれつが回らないといった症状がおこりやすいです。また、意識障害が見られたり、こん睡状態におちいることもあります。以下に、出血の部位による症状を解説します。

被殻出血

大脳の中央部に左右1対ある被殻は、身体の運動を調節したり、筋の緊張、学習や記憶などと言った役割を担っています。脳出血の約40~50%は被殻出血で、脳出血の中で最も多い割合を占めています。被殻出血では、頭痛や片麻痺、感覚障害、言語障害が見られます。言語障害では、言葉の理解や話すことが不自由になるという症状が現れやすいでしょう。

視床出血

脳の中の間脳と言われる部分の左右に1対ある視床では、触覚や痛覚などの感覚をつかさどっています。脳出血の約30%は視床出血と言われています。視床出血では、感覚障害や半身の激しい痛み、眼球がした内側を見るような位置になるなどの症状が現れます。

皮質下出血

大脳の表面を覆っている大脳皮質で起こる出血を皮質下出血と言います。皮質下出血は頭頂葉や側頭葉、前頭葉などでの出血が多く見られます。発症すると、けいれんや片麻痺、言語障害や視野の左右どちらかが欠損するといった症状が現れます。

小脳出血

知覚や運動機能をつかさどり、平衡感覚や筋緊張などを調節する働きをするのが小脳です。小脳で出血が起こると、頭痛やめまい、起立・歩行障害などの運動失調がみられます。出血量が多いと脳幹が圧迫されることもあり、命にかかわることもあるでしょう。

橋出血

脳幹に含まれている「橋」という場所は、生命維持を行うために必要な機能を持っています。そのため、この部位で出血が起きると重症になることが多く、場合によっては命にかかわることもあるでしょう。橋出血では、意識障害や四肢麻痺、瞳孔が小さくなるといった症状が現れます。また、急速にこん睡状態になることもあります。

身近な人に脳出血の疑いがある場合は?

身近な人に脳出血と思われる症状が見られたときには、すぐに救急車を呼んでください。脳出血は時間がたつほどに症状が重くなりやすい病気です。症状が軽く見えても急激に進行する可能性があります。できるだけ早く病院を受診できる体制を取ることが最も大切です。

また、嘔吐が見られているときは、吐いたものを詰まらせないよう横向きに寝かせましょう。数十年前までは脳出血の時には動かさないのが常識でしたが、現在は安楽な姿勢を取らせてすぐに救急車を呼ぶのが脳出血発症時には当たり前となっています。

おわりに:脳出血と思われたらすぐに救急要請を!

脳出血は命に関わることもある重大な病気です。激しい頭痛や麻痺、言語障害などの症状が見られた場合には、すぐに救急車を要請してください。意識障害がみられるときはもちろん、一見症状が軽く見えるときにも、急激に症状が進行することがあるので迷わず救急車を呼びましょう。

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