記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/24 記事改定日: 2019/9/5
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中期になると、多くの妊婦さんはつわりから解放されます。この時期は成長中の赤ちゃんが栄養を欲するようになるため、食欲がとまらず、太ってしまう妊婦さんもたくさんいます。しかし一方で、全然太れないことが問題になってしまう妊婦さんもいます。この記事では、妊娠中の体重増加とともに、体重が増えない悩みについて、それぞれ対処法を解説します。
減量、もしくは体重の維持が必要な場合、基本は妊娠してないときと同じく、消費カロリーを増やして摂取カロリーを落とすことが必要です。特に、体重の維持には食事が大きく影響します。
赤ちゃんがいくら栄養を欲しているとしても、妊娠中に2人分食べていたら太りすぎてしまいます。でも、もし太ってしまうとわかっていても食欲が抑えられないようでしたら、以下のことを心がけてみましょう。
粘土や洗濯のりなど、変なものが食べたくなったら医師に相談してください。「異食症」と呼ばれる症状で、鉄が欠乏している可能性があります。
妊娠初期のうちは、多くの妊婦さんが少しの体重でも増やすのにも苦労していますし、逆に体重が減ってしまう妊婦さんもいます。ただ、この時期であれば子宮はとても小さく、必要な栄養量も少ないので、体重が増えなくてもさほど心配する必要はありません。
しかし、妊娠中期に入っても推奨されるレベルまで体重が増えていない場合は注意が必要です。赤ちゃんが大きくなるにつれてより多くのエネルギーや栄養素が必要になるので、体重を徐々に増やしていく必要があります。
妊娠中に体重が増えない状態が続くと、深刻な合併症のリスクを高めるだけでなく、下記のようなトラブルに見舞われる可能性があります(体重増加の目安は、BMIが正常の人であれば10kg前後、すでに肥満体の女性は8kg前後が標準)。
以下に、適切に体重を増やす方法をご紹介します。
食べているのに体重が増えない場合、もっと食べる必要があるということになります。体重増加のペースが著しく遅い場合は、食べる量をもっと増やしましょう。
もし食欲がなくなってしまったのであれば、少量でもカロリーが十分含まれた高品質食品をとることに重点を置くといいでしょう。健康的な脂肪の多く含まれている食べ物(アボカドやナッツ)、カロリー量の多い穀物やマメ科植物(全粒小麦パン、全粒穀物シリアル、パスタなど)がおすすめです。サラダなどの低カロリーメニューに加えて、より栄養価の高い食べ物を摂りましょう。
カロリー不足を解消するため、ドーナツなどの高カロリー食品でカロリーを補いたくなることがあるかもしれませんが、これは控えましょう。糖分や油の多い食べ物は体重を増やしますが、必要な栄養素は得られません。妊娠中の女性には、体重と栄養の両方が必要なのです。
多めの食事を1日3食食べるよりも、少量の食事を1日6食にわけて食べるのがおすすめです。おすすめの食べ物は、グラノーラ、チーズ、ピーナッツ、アーモンドバター、ベーグルなどです。食欲がないなら、栄養たっぷりのスムージーをつくってみるのもいいでしょう。
運動を日常的に行っている方でも、運動レベルを下げる必要はありません。カロリー消費量が多くなれば、体重増加は難しくなるかもしれませんが、体重が増えないのは運動よりも食事が大きく関係しています。運動しなくなることによるデメリットを考えれば、今行っている程度の運動は続けた方がよいでしょう。