記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
性器クラミジア感染症などの性感染症(STI)には症状がないため、自分ではなかなか気づきません。複数のパートナーと性交していたりする場合は、検査を受ける価値があります。少しでも早く検査を受ければ早期に適切な治療ができ、重症化を防ぐことができます。
腟(ちつ)、肛門および口腔内セックスを含む性的接触を通して感染します。性交をする男女だれにでも、感染する可能性があります。
多くは、性感染症(STI)にかかっていても症状に気づきません。性器クラミジア感染症にかかっている女性の多くもそうですが、未治療のまま放置されていると不妊の原因になる可能性があります。
以下のいずれかの症状がある場合は、クラミジア検査を受けてください。
・排尿時の痛み
・性器周囲のかゆみ、灼熱感、うずきがある
・性器、または肛門の周辺に水疱、びらん、斑点、塊ができる
・下着に黒い粉、または小さな白い斑点がある(毛じらみの糞や卵の可能性があります)
・腟排出物が黄色または緑色をしている
・腟排出物が臭う
・不正出血または性交後の出血
・性交中の痛み
・下腹部痛
・陰茎からの排出
・尿道の炎症(尿中に膿が出る)
これらの症状は、必ずしも感染しているわけではありませんが症状の原因を知り、治療を受けるために医師の診断を受ける価値があります。たとえば、性行為をしていなくても痛み、かゆみ、分泌物など似た症状を起こす鵞口瘡(がこうそう)にかかることはあります(鵞口瘡は簡単に治療できます)。
1.いちばん安全なのは性交しないことですが、現実問題としては無理でしょう。
2.感染を防ぐには、常にコンドームを使用することです。コンドームは、STI感染や他人への感染の拡大を阻止します。購入するときはSGマーク付(製品安全協会安全基準合格品)のものを選びしましょう。SGマークがついていないコンドームは安全基準を満たさないため使用しないでください。
3.現在のパートナーとともにSTI検査を受け、感染していないことを確認し、性交パートナーを現在のパートナーに限定してください。
このほかにも、性交前には排便・排尿を済ませる、シャワーを浴びる、性器を傷つけない、相手の性器を確認する、屋外で性交しない、生理中や体調不良のときは性交しないなど、お互いが気をつけられることがたくさんあります。むやみな感染を防ぐために性器を清潔に保つ方法を探してみてください。
性器クラミジア感染症を含む多くのSTIは、抗生物質で治癒(ちゆ)することができます。
自分自身も含めて、外見だけではその人が感染しているかどうか知ることはできません。無防備な性交をしたり、感染のリスクにさらされていると思うときは、積極的に受診してSTI検査やクラミジア検査を受けるようにしましょう。