妊娠初期の食べ物のおすすめは?食欲が低下する原因や対処法は?

2017/4/24 記事改定日: 2018/3/19
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前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

妊娠初期は食べ物の好みが変わったり、食欲があまり沸かなかったりしやすい時期です。でも、できるだけ赤ちゃんが健康に育つのに効果があるものを食べたいものですよね。ここでは、妊娠初期におすすめの食べ物をいくつかご紹介します。また、食欲が低下する原因や対処法もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

妊娠初期におすすめの食べ物は?

妊娠初期におすすめの食べ物として、以下のようなものがあります。簡単なレシピとともに紹介します。

緑黄色野菜

緑黄色野菜には、ビタミンや葉酸、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれています。特に、ほうれん草や春菊、モロヘイヤには葉酸がたくさん含まれているので、積極的に食べましょう。

緑黄色野菜は、生で食べるよりも、加熱してかさを小さくしたほうがたくさん食べられます。さっとゆでておひたしにしたり、みそ汁の具として入れたりすると、比較的簡単に葉酸を摂ることができます。

赤身の肉や魚

肉や魚に含まれるたんぱく質は、赤ちゃんの体を作るのに欠かせない栄養素です。余分な脂肪分を摂らずに、良質なたんぱく質を効率よく摂取するためには、赤身の肉(もも、ヒレ、鶏のささ身など)や魚(カツオ、マグロなど)を選ぶのがポイントです。

赤身の肉や魚は、焼き網を使って焼くと脂肪がさらに落ちるのでおすすめです。

大豆・大豆製品

体が肉や魚を受け付けない場合は、大豆製品を積極的に摂りましょう。たとえば、納豆には赤ちゃんの骨を強くする働きがあるビタミンKが含まれています。料理を作ることが難しいときは、豆乳を飲むのもおすすめです。

豆腐や油揚げをみそ汁の具に入れるのはもちろん、春菊やほうれん草など、野菜をたっぷり入れた湯豆腐を作ったり、しらすをのせて冷奴で食べたりするのもよいでしょう。

乳製品

牛乳やヨーグルトといった乳製品は、骨や歯を作るのに欠かせないカルシウムだけでなく、たんぱく質や脂質なども豊富に含んでいます。また、ヨーグルトは腸の働きを整える作用もあるので、便秘ぎみの妊婦さんには特におすすめの食べ物です。

そのまま飲んだり、フルーツを入れて食べたりするのがおすすめですが、もしご自宅にミキサーがあれば、ヨーグルトにバナナやほうれん草を加えてスムージーを作るのもよいでしょう。

妊娠初期に食べちゃダメなものは?

妊娠すると免疫力が低下するため、普段なら問題なく食べられるもので食中毒になってしまう可能性があります。

また、生肉にはトキソプラズマという妊娠中の感染によって胎児奇形を生じる可能性のある病原体も含まれていることがあるので、必ず避けるようにしましょう。加工食品でも加熱済のハムやプロセスチーズは大丈夫ですが、生ハムやいわゆるナチュラルチーズ(菌が生きているもの)は避けましょう。

・刺身などの生魚
・生肉
・生卵

また、ビールやカクテルといったアルコールも、妊娠後は控えたいものです。妊娠中もアルコールを飲んでしまうと、その成分が胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも届いてしまいます。この時期の赤ちゃんにはまだ肝臓がないため、成分を分解できないため、場合によっては胎児性アルコール症候群を発症する恐れがあります。

とはいえ、妊娠する前にこれらの食べ物や飲み物を摂ってしまうこともあると思います。妊娠初期の段階でこれらのものを食べても、赤ちゃんに与える影響はそれほど大きくないと言われているため、必要以上に不安になることはありません。妊娠に気づいた後は、食べるのはやめましょう。

妊娠初期に食欲が低下するのはどうして?

妊娠初期に食欲が低下してしまうのは、ホルモンの分泌量が急激に増え、体がそれに慣れようとするためです。

実際、ホルモンの増加(プロゲステロンやhCG)は吐き気や嗅覚の感度を高めると言われています(口内に鉄のような嫌な味を感じることもあります)。また、本能的に赤ちゃんを害のある食べ物から守ろうとするために吐き気が出てくるのではないか、という説もあるようです。

食欲が低下したときの対処法は?

食欲低下や食べ物の好みの変化、味覚の変化といった症状は、おおよそ妊娠4カ月までに改善するケースがほとんどですが、それまではうまく付き合っていく必要があります。以下のような方法で、つらい時期を乗り越えましょう。

ほかの食べ物で代用する

嫌いな食べ物ではなく、ほかの食べ物で栄養素を補うという方法があります。

<肉類や卵が嫌いになった場合>
卵や鶏肉、牛肉が嫌いになってしまったら、大豆製品やナッツなどでタンパク質を補いましょう。

<乳製品が嫌いになった場合>
乳製品自体が嫌いになってしまった場合は、カルシウムで栄養強化されたジュースや大豆製品、ゴマ、鮭缶、ブロッコリーなどで補いましょう。

<野菜が嫌いになった場合>
野菜全体が嫌いになってしまった場合は、フルーツを食べましょう。マンゴーやパパイヤ、アプリコットはβカロテンが豊富です。

水分をとる

十分な水分補給をすることは、カロリー摂取量よりも重要です。

食べ過ぎない

少量の食事を1日に5、6回に分けて食べることで、満腹感を得やすくなります。

食欲が出てきたら、たんぱく質と複合炭水化物(パン、ご飯など)をできるだけ食べるようにしましょう。血糖値が安定するのはもちろん、腹持ちもよくなります。バナナなどのフルーツは、胃に優しいのでおすすめです。また、これにスプーン1杯のヨーグルトを加えると、たんぱく質もとれるようになります。

おわりに:ちょっとした工夫で症状を改善!

妊娠に気づいたら、赤ちゃんの成長の助けとなる緑黄色野菜や大豆製品、乳製品などを積極的に食べることが大切です。量は少なくても、少しずつ食べましょう。ただ、妊娠4カ月目くらいまでは食欲低下や食べ物の好みの変化とうまく付き合っていく必要があるかもしれません。そのようなときは、ここで紹介したようなもので、嫌いな食べ物を代用してみてください。いろいろ工夫しながら、妊娠初期を乗り越えましょう!

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