記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
飛行機での長時間の移動など、同じ姿勢をとり続けることでおこるエコノミークラス症候群。飛行機や車で移動中のときだけ起こる疾患と誤解されがちですが、実はデスクワークでも起こる可能性があります。今回は、日常生活に潜むエコノミークラス症候群発症のリスクについて、デスクワークを例に予防法とあわせてご紹介します。
エコノミークラス症候群とは、同じ姿勢を長時間とり続けることで足の静脈の血流が悪くなり、血栓ができてしまう疾患のことです。医学的には静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)と呼ばれ、さらに進行度合いによって、以下2つの名称で区別されます。
その名前から、エコノミークラス症候群は移動中だけに起こる疾患と勘違いされがちですが、実際には「長時間座った姿勢をキープし続けること」で起こる疾患なのです。
エコノミークラス症候群は、長時間座ったままの姿勢でいることが原因で発症するため、室内でデスクワークをしているだけでも発症する可能性があります。特に、就業中で自由に歩行やストレッチ、水分補給ができない場合、血液の粘度が上がって血流が悪くなるため、血栓もできやすくなります。座りっぱなしによる足の運動不足と水分不足は、エコノミークラス症候群の要因となるのです。
また、エアコンの効いた乾燥した部屋で汗をかかずに過ごすことの多い冬は、本人が体の渇きに気づかないまま水分不足に陥るケースも多くなります。冬場に長時間、同じ姿勢のまま水分補給を怠って作業に没頭していると、エコノミークラス症候群を発症するリスクがかなり高くなるのです。
エコノミークラス症候群の発症リスクは、日ごろからこまめに水分を摂ったり、足を動かすようクセづけることで予防できます。
水分は、のどが渇いていなくても、最低1時間に1回はコップ1杯の水を摂取するよう習慣づけ、常に体内に水分がある状態を保つようにしてください。
また、運動については、腕を頭の上まで伸ばしてストレッチしたり、座ったまま足の指を開閉したり、かかとを上下させ、軽くふくらはぎを揉んだりするだけでも十分効果があります。
もし可能なら、上記の足のストレッチとあわせ、1時間に1回くらいは立ち上がって歩き回るようにするとよいでしょう。適度な圧力を加えて下肢から心臓へ血液が戻るのを助ける医療用の弾性ストッキングも、エコノミークラス症候群の予防に効果的です。
長時間座った姿勢のままデスクワークを続けているなら、エコノミークラス症候群を発症する可能性があります。特に、体の渇きを自覚しにくく、寒さから同じ姿勢で固まりがちな冬場は水分不足を起こしやすいため、エコノミークラス症候群を発症するリスクが高くなります。ここでご紹介した方法を参考に、日常生活でのエコノミークラス症候群を発症を予防しましょう。
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