エコノミークラス症候群とは? 症状、原因、予防法など

2018/12/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「エコノミークラス症候群」をご存知ですか?飛行機のエコノミークラスの乗客が多く発症したことから名づけられた病名ですが、具体的にどんな病気なのでしょうか。原因や予防法など、全般的な情報をお届けしていきます。

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エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群とは、長時間にわたる飛行機の登場などで足の血行が悪化し、足の静脈内に「血栓」ができ、足や肺の血管が詰まったことでさまざまな症状をきたす病気です。

なお、「エコノミークラス症候群」は正式な病名ではなく、「静脈血栓塞栓症」というのが正式名称です。このほか、「深部静脈血栓症」「急性肺血栓塞栓症」という名称で呼ばれることもあり、前者は足(下肢)や下腹部の静脈に血栓ができる病気、後者はその血栓が肺に運ばれ、肺の血管が詰まってしまう病気を指します。ただ、いずれも下肢に血栓が生じた結果起こる病気なので、現在ではまとめて「静脈血栓塞栓症」と呼ぶことが多いです。

エコノミークラス症候群の症状は?

エコノミークラス症候群を起こすと、足に血栓ができたことで、足が腫れたり、部分的に赤くなったり、痛くなったりします。基本的には片足のみに症状が出ることが多いです。

また、足にできた血栓が肺に運ばれ、肺の血管が塞がれてしまった場合、突然の胸の痛みや息切れなどの症状が起こります。症状の程度には個人差があります。

エコノミークラス症候群の原因は?

冒頭で少しお伝えしましたが、エコノミークラス症候群の原因は「長時間足を動かさなかったこと」です。つまり「エコノミークラス」という名前こそついていますが、ビジネスクラスやファーストクラスの座席でも発症する可能性はありますし、もっといえば飛行機に限らず、長時間のバスや電車移動、車の運転でも発症することがあるので、「旅行者血栓症」という俗称も存在します。また移動中に限らず、デスクワークでも発症することがあります。

エコノミークラス症候群を予防するには?

エコノミークラス症候群を予防するには、以下の対策が有効です。

  • こまめに足を動かす(歩行、足の上げ下げの運動、ふくらはぎをもむなど)
  • こまめな水分補給(水分不足で血流が悪くなると、ますます血栓ができやすくなるため)
  • ゆったりした服装にし、ベルトをきつく締めない
  • アルコールの摂取は控える
  • 眠るときは足を上げる

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

おわりに:長時間の座りっぱなしに要注意!

エコノミークラス症候群は、飛行機に乗っているときだけでなく、長時間足を動かさない状況下であればいつでも、誰にでも起こり得る病気です。心臓の機能や血圧が低下している人が発症すると、特に死亡するリスクも高くなるので、座りっぱなしの状態が続くときはこまめに立ち上がったり、水を飲んだりと対策に努めましょう。

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