記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
小児がかかりやすいとされる感染症の1つに、溶連菌(ようれんきん)があります。今回は、溶連菌に感染した場合に起こる代表的な症状をはじめ、治療に使われる薬の種類やその作用、注意すべき副作用などについて解説していきます。
溶連菌は、主にのどから侵入・感染して以下のような症状を引き起こす細菌です。
全般的に風邪のような症状ですが、一般的な風邪とは異なり、咳や鼻水の症状が現れること少ないのが溶連菌感染の大きな特徴です。
なお発症するのは、感染してから2~5日間の潜伏期間を経た後だといわれています。
溶連菌感染と思われる症状が出ていて、なおかつ病院での検査で溶連菌に感染していることが確認できたら、治療するために5~10日分の抗生物質が処方されます。抗生物質を服用し始めてからおよそ2~3日で熱が下がり、5日以内にはのどの痛みも治まって、急性期が過ぎて発疹ができていた皮膚がむけてくるようになります。
このように、溶連菌感染による症状自体は薬の服用から3日程度で収まりますが、体内の溶連菌を完全に殺すには、医師から処方された薬をすべて薬を飲み切る必要があります。
症状が治まったからといって、自己判断で抗生物質の服用を止めてしまうと、溶連菌を殺しきれずに以下のような合併症を引き起こすリスクが高くなります。
患者が小児であるケースが多い溶連菌感染症の治療では、症状が出ていないのに薬の服用を続けさせることは難しいかもしれません。しかし、きちんと体内の溶連菌を殺し、合併症を起こさないようにするためにも、溶連菌の治療薬は医師の指示に従って、全て飲み切るようにしてください。
溶連菌感染症の治療のために使われる抗生物質は、大きくペニシリン系・セフェム系・その他の3種類に分けることができます。
以下に、3種類それぞれの特徴や想定される副作用、使われることの多い具体的な薬剤名をまとめていきます。
溶連菌感染症はのどから感染し、高熱やのどの痛み・腫れ、手足や口のなかの発疹などの症状が出る病気で、2~5日の潜伏期間を経て発症します。治療には抗生物質が用いられ、5~10日間服用して体内の溶連菌を殺し、合併症を防ぎながら完治を目指します。ただし、抗生物質を服用すべき期間や懸念すべき副作用は、使われる薬の種類によって変わります。溶連菌感染症の治療は、医師の指示をよく聞いてすすめていきましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。