日本人に多くみられる冠攣縮性狭心症ってどんな病気?

2019/2/11

冠攣縮性狭心症とは、冠動脈が痙攣することによって起こる狭心症です。この病気は日本や韓国の男性に多くみられる病気と言われています。この記事では、冠攣縮性狭心症の原因や治療・予防法を解説します。

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冠攣縮性狭心症ってどんな病気?

冠攣縮性狭心症とは、冠動脈が痙攣することによって起こる狭心症のことです。冠攣縮とは痙攣という意味があり、心臓の表面を走行する比較的太い冠動脈が、一時的に異常に収縮した状態と定義されています。冠攣縮は、冠動脈の過収縮により一過性に冠血流を低下させ、心筋虚血をひき起こすため、これによって狭心症が引き起こされます。

冠攣縮性狭心症の発症者は欧米より日本や韓国に多く、特に喫煙者の男性に多いとされています。

冠攣縮性狭心症を発症する原因は?

冠攣縮性狭心症を発症する原因として最も知られているのが喫煙です。タバコの煙は、人間の生体内へ肺を介して酸化ストレスと炎症を引き起こし、それが血管内皮機能障害や動脈硬化性因子を活性化させると考えられており、その代表的な疾患が冠攣縮性狭心症であるともいわれています。実際にこの病気を発症する方の多くが喫煙者であるというデータもあります。

また、ほかにも冠攣縮性狭心症を発症する原因には常習飲酒習慣がある、ストレス(自律神経機能の異常)、脂質異常、糖代謝異常、遺伝的要因が考えられています。

冠攣縮性狭心症の治療法は?

冠攣縮性狭心症の治療は、主として生活習慣の改善のための指導、薬物療法、PCI(経皮的冠動脈インターベンションの併用)となります。

生活習慣を改善すると、冠攣縮性狭心症の予防にもなります。具体的には、禁煙、適正体重の維持、耐糖能障害の是正、脂質異常症の是正、過労・精神ストレスの回避、節酒が指導されます。特に禁煙指導は、冠攣縮性狭心症を予防する上で欠かせません

血圧管理は食事の塩分制限、適度な運動及び体重コントロールが指導されますが、それでも血圧管理が難しい場合は降圧薬が処方され、血圧管理を行います。また、体重管理では1カ月あたり1kgほどの減量を目標とし、食事制限など食に関する細かい指導が行われます。

そして、耐糖能障害の是正では、食事の指導だけでなく運動の指導も行われ、最大酸素摂取量の50%程度の中等度以下の有酸素運動を30分以上週3回以上(できれば毎日)続けるように指導されます。具体的には早足歩行やジョギング、水泳などの全身運動を1週間に140~180分程度継続して行うことが望ましい、とされています。

精神的ストレスの回避ではストレス発散、リラクゼーションの場を持つように指導がされます。

薬物療法では、血管を拡張する薬や、心臓の負担を軽減する薬、降圧薬などを使用して治療を行います。また、PCI(経皮的冠動脈インターベンションの併用)とは冠動脈にステントを留置して冠動脈を広げる治療で、血流を正常に保つことができます。

【以下のガイドラインを元に作成】

冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版) 
一般社団法人 日本循環器学会 循環器病ガイドラインシリーズ

おわりに:冠攣縮狭心症は日常生活の中で予防できる

冠攣縮性狭心症のいちばんの原因は喫煙といわれています。タバコをやめ、生活習慣を改善することで、症状改善や予防につながります。普段の過ごし方を見直して、症状を改善・予防していきましょう。

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冠攣縮狭心症(2) 喫煙による病気(5) ストレスによる病気(2) タバコの影響(1) 血圧管理(2)