食事を改善すれば、心筋梗塞を予防・改善できる?

2018/12/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

発症すると胸のあたりに激痛が走る心筋梗塞。命を落とす恐れもあるため、できる限り避けたい病気のひとつです。それでは、心筋梗塞を予防・改善するためにはどのような食事を心がければいいのでしょうか。

食事の見直しが心筋梗塞の予防・改善につながる

健康を保つポイントは、栄養、休養、運動にあるといわれています。

食事で摂取する栄養素は、体の機能や組織を健康に保つ重要な役割を持ちますが、食生活が偏ったり、暴飲暴食したりすると、逆に生活習慣病を招くこともあります。心筋梗塞は寒くなるにつれて増える病気ですが、動脈硬化をはじめ、さまざまな生活習慣病の重なりが危険因子となって発症する場合が多いです。

つまり、心筋梗塞でも、カロリーを適性に保った、栄養バランスの良い食事で生活習慣病などのリスクを減らすことが重要となっています。

また、医師や栄養士の指導に基づく正しい食事療法は、不調の状態から病気へ進行するのを食い止めるとともに、狭心症などになってしまった場合には、薬物療法や運動療法と合わせて行うことで病気を悪化させないことが期待できます。

食生活を見直すポイントは?

動脈硬化を促進させる要因をできるだけ取り除き、症状を進行させないことが重要なポイントになります。

まず、基本は「減塩」です。食塩には血圧を上げるほか、体に水分を溜めこみやすくする作用があり、心臓に負担をかけます。1日の適量(一般には6~7g以下)を守りましょう。

また「低脂肪・低コレステロール」を心がけ、「適切なエネルギー量」を守ることも大切です。肥満は動脈硬化を促進し心臓にも負担をかけます。脂質を減らすことで肥満を解消するとともに、脂質はなるべくコレステロールの量を低下する効果がある植物性食品や魚介類でとるようにします。

適切なカロリーは、[標準体重(身長(m)×身長(m)×22)×日々の活動量に応じた数値(軽25~30、中30~35、重35~40)]で算出することができます。

そのほか、「食物繊維」「ビタミン、ミネラル」を意識的にとるようにしながら「1日3食きちんと食べる」ようにすること、「禁煙」「禁酒(または節酒)」することも大切です。

積極的に摂るといい栄養素は?

心筋梗塞の予防効果が注目されている栄養素として、次の4つをあげることができます。

ひとつは青魚などに多く含まれる脂肪酸「DHA、EPA」で、これらは血小板が集まるのを防いだり、血液の粘りをやわらげる働きを持ち、心筋梗塞を起こす悪条件を緩和します。

また、牛乳や小魚、大豆食品などに多く含まれる「カルシウム」は、心臓の筋肉(心筋)を動かすのに欠かせない栄養素、バナナやトマト、大豆などに多く含まれる「カリウム」は、ナトリウム(塩分)とともに心臓の働きを調節する重要な栄養素です。

そして、コンニャクや根菜類、海藻類、イモ類、きのこ類などに多く含まれる「食物繊維」は、最近の研究で心筋梗塞のきっかけとなる血管の炎症を抑える効果が報告されています。

心筋梗塞の予防には、これら4つの栄養素を積極的にとることを心がけましょう。

おわりに:正しい知識に基づいた食事の改善には、心筋梗塞の予防・改善効果が期待できます

心筋梗塞の予防・改善には、心筋梗塞を引き起こす動脈硬化を進行させないことがポイントです。正しい知識に基いて食事を改善することで、動脈硬化を促進させる生活習慣病などの危険因子を取り除くとともに、予防効果の高い栄養素を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。

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