大動脈弁狭窄症になると出てくる症状は?どうやって治療する?

2020/1/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

大動脈弁狭窄症とは、大動脈弁が狭くなってしまう心臓の病気です。この記事では、大動脈弁狭窄症の兆候としてどのような症状がみられるかを紹介するとともに、治療法を紹介します。

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大動脈弁狭窄症とは

大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が狭くなってしまう心臓の疾患です。血液を全身に送り出すための出口がうまく開かなくなるため、左心室から大動脈に十分な血液を送り込むことができなくなってしまいます。全身に血液が流れにくくなると、血圧が低下し、やがてめまいや失神、息切れ、胸痛などの症状がでてきます。

大動脈弁狭窄症になると出てくる症状は?

大動脈弁狭窄症になると、左心室から送りだされた血液が、狭くなった大動脈弁を通らなければならなくなります。そのため、狭くなった弁を無理に通ろうとするとき、血流の乱れが生じてしまうのです。乱流の音は、聴診器を当てたときに雑音として聞こえます。また、左心室にも強い負荷がかかり、心筋の壁がどんどん厚くなる「左室肥大」という症状が起こる場合もあります。

大動脈弁狭窄症は、症状が進行するまで本人には自覚がないことが多い病気です。検診で心電図の異常などが発見されない限り見つかることがありません。しかし、狭窄の程度が進み、心臓への負担が大きくなってくるとさまざまな症状が出てくるようになります。たとえば、身体を動かしたときに胸に痛みや苦しさを感じる狭心症、失神、心不全などが代表的な症状です。

ほかにも、血流が大動脈弁に傷をつけ、そこに入ってきた細菌に感染してしまう「感染性心内膜炎」になるケースもあります。細菌は徐々に大動脈弁を破壊してしまううえ、菌の塊が流れると動脈をつまらせてしまうのです。動脈が詰まると、脳梗塞や感染性脳動脈瘤などの重篤な病気に陥ることがあるため、大動脈弁狭窄症のときには、歯科治療やほかの小規模な手術などの際にもあらかじめ抗生物質を服用し、「感染性心内膜炎」を予防しなければなりません。

大動脈弁狭窄症の治療ではどんなことをする?

大動脈弁狭窄症が重症の場合、なるべく早期に治療をする必要があります。心エコーの検査を定期的に行い、経過を観察しながら治療の時期を検討していきます。

もっとも代表的な治療は、手術によって大動脈弁を新しくとりかえることです。この手術は外科的大動脈弁置換術といわれ、狭窄している大動脈弁を切り取り、機械弁か生体弁に取り替えます。機械弁と生体弁にはそれぞれ特徴があり、患者さんの希望や医師の判断によってどちらかを選択することになります。

たとえば機械弁を使用する場合は、耐久性が高い丈夫な弁ですが、抗凝固薬という血液を固まりにくくする薬を生涯飲みつづけなければなりません。一方、生体弁を使用する場合は、抗凝固薬を飲む必要はないものの(一般的に治療後3か月間は必要になる)、耐久力は機械弁におよびません。それぞれのメリットとデメリットを考えたうえで、判断する必要があります。

おわりに:大動脈弁狭窄症は、狭心症や感染性心内膜炎などにつながる病気

大動脈弁狭窄症になると、左心室から送りだされた血液が、狭くなった大動脈弁を通らなければならなくなります。そのため、心臓に負担がかかり、狭心症、失神、心不全を引き起こしたり、傷ついた弁に細菌が入って感染性心内膜炎になったりします。治療では、外科手術で大動脈弁を交換する処置がおこなわれます。

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