記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
特に悪いことは起こっていないのに、慢性的に悩みや不安を感じてしまうことを不安神経症といいます。この病気の治療には、カウンセリングや向精神薬などの西洋医学的な治療のほか、東洋医学的な知見での治療も行われています。今回は、東洋医学・漢方の視点から見た不安神経症とその治療法について解説します。
実際には起こっていない、根拠のない悪い出来事や悩みへの恐れ・不安を、漠然と慢性的に持ち続けてしまう病気を、不安神経症と言います。全般性不安障害とも呼ばれ、発症すると、何の根拠もないにもかかわらず、以下のような悪い出来事を具体的に想像して日常的に不安感に苛まれるようになります。
東洋医学・漢方医学的な知見から見ると、不安神経症のようなストレス性の疾患は「気(き)」と「血(けつ)」が十分でないために、「肝(かん)」機能が弱っている状態と表現できます。
漢方医学では、体の状態が精神状態と密接にかかわっていると考えられています。このため、ストレスによって気力が減退すると「気」が不足し、その影響から自立神経や血流量をコントロールしている「肝」の機能も落ち込んでくるとされます。その結果、ますます「肝」の機能が低下して「気」と「血」が不足した状態となり、「心」にまで影響してさまざまな精神症状をきたすもの、と理解されているのです。
西洋医学的な視点から見た不安神経症発症の原因は、以下のいずれか、または複数の原因が絡み合っているものと考えられています。
不安神経症の治療には、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」と「抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)」の2種類の漢方薬が使われます。以下に、加味逍遥散と抑肝散陳皮半夏の特徴をご紹介します。
根拠のない不安や恐怖をいつも感じ、悩むようになってしまう不安神経症は、東洋医学・漢方医学的な知見からも治療が可能です。不安神経症は、漢方医学的に見て気力の低下と血流の滞りから、自律神経の働きが悪くなり神経症状が出た状態とされます。このため治療には、加味逍遥散や抑肝散陳皮半夏などの漢方薬が処方されるのが一般的です。漢方薬の効き目には個人差が大きいですが、興味のある人は主治医に相談してみると良いでしょう。