記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2~10歳の小児を中心に大人にも感染・発症する溶連菌感染症。溶連菌という細菌が原因で発症する病気ですが、一度発症した人でも、繰り返し発症するケースがあることをご存知でしょうか。今回は溶連菌感染症が繰り返し発症するケースと、再発予防のための対策をご紹介します。
溶連菌(ようれんきん)は、正式名称を「溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)」と呼ばれるものです。種類としては、大きくα溶血とβ溶血の2種類があり、このうち人に感染・発症するものにはβ溶血に含まれるA群・B群・C群・G群などが挙げられます。ただし、上記のうち、実際に人への感染・発症を起こすのは90%以上がβ溶血A群です。
溶連菌は主にのどから侵入し、数日間の潜伏期間を経て発症、炎症によるのどや扁桃腺の痛み、体や舌に発疹を伴う発熱などの症状を引き起こします。
一般的に感染症は一度かかると耐性ができ、再度感染することはなくなると認識されていますが、溶連菌は繰り返し感染・発症することがあります。その原因として、過去に感染・発症した人の家族や同僚など、身近な人に症状のない溶連菌保菌者がいる可能性が考えられます。
このような場合、溶連菌感染症から回復して免疫力の弱っている人が、感染を自覚していない保菌者と接することで、繰り返し溶連菌感染症を発症してしまいます。
家族や同僚など、身近な人の間で繰り返し溶連菌感染症を起こさないようにするには、以下の対策をとるのが効果的です。
なお、溶連菌は感染の診断・治療開始から約24時間で感染力が大幅に低下するといわれています。上記の溶連菌感染予防策は、家族や職場内で感染者が出て治療を開始した24時間以内を目安に、特に徹底すると良いでしょう。
通常、感染症には一度感染・発症すると耐性ができてかかりにくくなるとされますが、溶連菌感染症では同じ人が繰り返し感染・発症するケースがあります。この原因として、一度溶連菌感染症から回復した人の近くに、感染を自覚しない保菌者がいる可能性が考えられます。繰り返し溶連菌感染症を発症しないためには、感染がわかった段階から周囲との飛沫・接触による感染拡大を予防することが効果的です。