赤ちゃんを疲れさせていませんか?~赤ちゃんとおでかけ~

2017/4/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

無事出産を終えると、こんどは早く赤ちゃんをみんなに見せたくなりませんか? でも、ちょっと待ってください。かつては赤ちゃんは出生後数週間は外出すべきではないといわれていましたが、最近では退院後から大丈夫だということがわかっています。しかし、外出は赤ちゃんにとって疲れやすく、家にいるとき以上に気をつけなければならないことがたくさんあります。ここでは、赤ちゃんとのおでかけで気をつけてほしいことをお話します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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洋服選び

赤ちゃんは、自分で衣服を選べません。天気や気候に合わせた服を着せてあげましょう。しかし、暖かすぎるのは禁物です。外が寒いからといって何枚も重ね着させるのは逆効果です。脱ぎ着ができる服を着させましょう。

おでかけバッグを用意しよう

「おでかけバッグ」を用意しましょう。肩にかけるものよりもリュック型のほうが、両手が使えて便利です。おでかけバッグの中には、以下のようなものが必要です。
・紙おむつ
・おしり拭き用の濡れティッシュ
・着替え
・哺乳瓶と粉ミルク
・携帯用保温ポット(お湯も忘れずに! )
・母子健康手帳
そのほかに、ベビーカーでのおでかけなら薄手のタオルケットや毛布があると赤ちゃんを紫外線や冷暖房の風から守れます。電車やバスでの移動では、ベビーカーでもいいと思いますが慣れない人ごみの中で赤ちゃんが疲れて大泣きしてしまったときには「だっこひも」が威力を発揮するでしょう。赤ちゃんは、お母さんの胸に抱かれると安心します。混雑した駅、ショッピングモールなどでは、ベビーカーよりも「だっこひも」のほうが安全かもしれません。

赤ちゃんの汗に気をつけて

どのような場合でも、外から帰ったら赤ちゃんの手を濡れティッシュや石けんできれいに洗ってあげましょう。たとえ赤ちゃんが寝ていても、外出用の服は脱がせて着替えさせてあげましょう。
また、部屋の温度調節にも気をつけましょう。赤ちゃんは、慣れないおでかけで疲れています。あまりにも外気温との差が大きいと、外出の興奮が覚めずになかなか寝付けないこともあります。暖かい部屋なら、部屋着に着替えさせれば毛布は必要ないかもしれません。柔らかい布団は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険因子でもあります。
冬でも、室温は20℃~22℃くらいがちょうどいいかもしれません。
夜間や昼寝のあとなど赤ちゃんが目を覚ましたときは、汗をかきすぎていないか首まわりをチェックしましょう。赤ちゃんは汗をかきやすいのですが、あまりにも多い汗は危険なことがあります。
天気がよく、暖かい日は、赤ちゃんのヒザやヒジを出してあげましょう。ただし、太陽の紫外線から守るために、帽子やベビーカーの日よけを利用しましょう。
6カ月未満の赤ちゃんでは日焼け止めで顔や手を保護するか、特に日差しの強い昼間は室内で過ごし、外に出るときは帽子などで顔や手を保護することをお勧めします。
だっこひもは、赤ちゃんが暑すぎないように通気性のある素材を選びましょう。

おわりに:おでかけは、赤ちゃんが疲れないように気をつけて

赤ちゃんを連れてのおでかけは荷物も多く、お母さんにとっても疲れます。お母さんが疲れるなら、小さな赤ちゃんはその何十倍も疲れているはずです。人ごみ、騒音は、赤ちゃんの小さな脳を混乱させ、夜眠れなくするでしょう。どうしても出かけなければならないときは、赤ちゃんを疲れさせないような配慮が必要です。まずは、赤ちゃんが疲れないような近所のお散歩からはじめてみてはいかがですか?!

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