記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
冠攣縮性狭心症は、睡眠中などの安静時に起きる可能性のある病気のひとつです。そこで今回は、冠攣縮性狭心症の原因などをご紹介します。
まず「狭心症」とは、冠動脈という酸素や栄養を送っている血管が狭くなることによって、一時的に十分な血液が心臓に行き届かなくなる病気です。心筋梗塞が完全に冠動脈を塞いでしまうのに対し、狭心症は狭くなることによって起こるため、血流が回復すれば元通りになるといわれています。突然、胸に激痛が走り、吐き気がする、胃痛がするといった症状が特徴です。
狭心症は、主に「冠攣縮性狭心症」と「労作性狭心症」に大別され、前者が夜間から早朝の時間帯の安静時、後者が普段以上に激しい運動をしたときなどに発症すると考えられています。
また「冠攣縮」とは、冠動脈が痙攣することを指します。ただし突然引き起こされるため、心電図検査をした場合でもほとんど見つかることはないといわれています。
欧米人と比較して日本人は約3倍多く発症すると考えられ、突然死の恐れもあります。狭心症の約6割に冠攣縮が関係しているといわれているため、早期発見や早期治療が大切です。
冠動脈の攣縮を起こすのは、活性酸素やマグネシウム不足などが影響していると考えられています。これに大きく関係しているのが、生活習慣です。
喫煙するとタバコの煙に含まれる酸素や一酸化窒素、一酸化炭素などの酸化物などが体内に入り込み、活性酸素が激増します。また病院では冠攣縮の治療において禁煙指導は必須となっていることからも、喫煙は大きな原因のひとつと考えられます。
また冠攣縮性狭心症は深酒をした次の日に発症する確率が高いといわれています。アルコールは体内のマグネシウムを大量に排出するはたらきがあるため、一度に大量の飲酒をするとマグネシウムが体内に不足することになるためです。
さらに脂質に何らかの異常がみられることも、冠攣縮性狭心症の特徴のひとつです。なかでも善玉コレステロール値が少なくなることが知られています。
ストレスも、冠攣縮性狭心症を発症する恐れのある原因といわれています。自律神経が乱れることで、交感神経や副交感神経が正常にはたらかなくなり、何らかの影響を与えていると考えられているためです。
特に注意した方が良い生活習慣は、以下の通りです。
これまでの喫煙歴よりも、1日にどれくらい吸っているかの方が発症に深く関わっています。1日20本以上吸う場合はリスクが高くなるため、注意が必要です。
肥満症の場合、糖尿病や高血圧など、冠攣縮狭心症のリスク要因をもっています。一般的に、太っている傾向にある人は適正な体重を保てるようにしましょう。
特に注意したいのが、コレステロール値の異常です。食事内容や運動不足に気を付けて生活しましょう。
マグネシウムの不足は、冠攣縮性狭心症の要因のひとつです。適度な飲酒を心がけましょう。
大抵の人は日々ストレスを感じながら生活しています。ただし、強いストレスを受けて体に影響が出ている場合でも、ストレスそのものを感じていない可能性があります。客観的な基準をもとにしたストレスチェックなどを参考にして、自身のストレス具合を知る手がかりにしましょう。
冠攣縮性狭心症は生活習慣が大きく関わっています。またストレスも何らかの形で影響しているといわれています。できることから見直し、予防を心掛けましょう。